リーグ3連覇を狙うJ1川崎に強力な“後方支援施設”が誕生した。2016年に完成したクラブハウス内に今月2日、選手食堂がついにオープン。これまで近隣にある選手寮内の食堂などが昼食に利用されていたが、すぐさま食事にありつけるとあってイレブンもこぞって利用し始めた。

 大黒柱のMF中村憲剛(38)は、食堂もないクラブハウスがプレハブ施設だった時代を知るだけに「隔世の感がある。非常に感慨深い」としみじみ。ボリュームも栄養面もバッチリなメニューで、タフな日程を戦い抜く土台をつくれるのはもちろん、同じ場所で食事を取ることでイレブン間のコミュニケーションも増えた。「ちょっとした会話が生まれるのはいいこと」(中村)と歓迎ムードだ。これだけの施設を増強できたのは、J12連覇で得た22億円にも及ぶ巨額賞金があるからこそ。プレハブ時代から食堂の新設を訴えていたチーム最年長は「結果を残したから」と胸を張る。ビッグマネーは元ブラジル代表FWレアンドロダミアン(29)ら大物選手の獲得にもつながったが、ハード面の充実で今後の補強においても他クラブをリードする材料となるのは間違いない。

 まさに“勝ち組のサイクル”に突入しているJ1王者。勝ち続ければさらなる設備増強も期待できる。今季は開幕5試合目でようやく初勝利とスタートダッシュにはやや失敗したが、巻き返しの態勢は整いつつある。