新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が不安視されるサッカー天皇杯決勝の浦和―大分戦で、たびたび一部サポーターが大声を発するルール違反が発生した。

 天皇杯を巡っては12日に等々力で行われた準決勝の川崎―大分戦の観戦者からオミクロン株の感染が判明。不安が高まる中、国立で開催された決勝は5万7785人の大観衆が押し寄せた。

 しかし、注目の一戦で感染対策におけるルール違反が発生。協会は違反項目として「大声を出さない」と規定したうえで「声を出しての応援(大声応援の扇動、チャント、コール、歌を歌う等)、指笛、トラメガを含むメガホンの使用を禁止します。継続して大声を出す等、警備員・係員の指示に従わない場合は退場していただきます」と感染対策の徹底を求めていたが、一部サポーターがたびたび大声を上げる場面が発生。

 後半29分には浦和の選手が倒された際に反則を取らず、その直後に大分の選手が倒されると主審が笛を吹いたため、浦和のサポーター席から大きな怒号が飛び交った。これは違反行為にあたるため、即座に場内アナウンスで声を上げての応援を自粛するよう呼びかけられた。

 協会では準決勝で感染者が発生していたため「ご来場いただく皆さまに、あらためてのお願いです。会場内や移動時には、マスクの着用や手指の消毒、大きな声を出さない、黙食などの感染対策や観戦ルールを徹底し、皆さまの安心、安全な試合観戦へのご協力をお願いいたします」と異例の強い呼びかけを実施したが、残念ながら違反行為が発生してしまった。