WWEマットでインターコンチネンタル(IC)王者のグンター(35)が、独特の存在感を放ち話題になっている。

 オーストリア・ウィーン出身で193センチ、134キロの巨体といかつい風貌で、長く欧州マットで活躍してきた。日本マットに来日経験もあったが、2019年1月にWWE初登場。「ウォルター」としてNXT・UKでデビューした。ユニット「インペリアム」を率いて米NXTでも存在感をアップさせ、今年4月にスマックダウンに昇格し、メインロースターとなった。

 IC王座を奪取すると、中邑真輔を相手に激闘を繰り広げて防衛に成功。そうした中、一気に「グンター」の名を世界のプロレスファンに知らしめたのが、3日(日本時間4日)の英国決戦「WWEクラッシュ・アット・ザ・キャッスル」(ウェールズ・カーディフ)だ。

 IC王者として、アイルランド出身で元WWE王者の強敵シェイマスの挑戦を受けたが、歴史に残る死闘を展開。グンターが得意のチョップとキックだけでシェイマスを追い詰めた。そのチョップの破壊力で、シェイマスの胸は無残に腫れ上がるほどのド迫力のファイト。シェイマスも小細工なしで立ち向かって壮絶な打撃戦となり、6万2000人の大観衆からは「This is awesome!(これぞ名勝負!)」のチャントが何度も上がった。

 フィニッシュも圧巻だった。シェイマスの必殺技をしのいだグンターは、渾身のラリアート。一発で3カウントを奪って決着をつけた。大技をほとんど使うことなく、ゴツゴツとひたすら真正面から殴り合い、蹴り合い、つぶし合う。スピード感あふれる現代のプロレスと真逆の試合は〝鉄の爪〟フリッツ・フォン・エリックや〝生傷男〟ディック・ザ・ブルーザー、〝人間発電所〟ブルーノ・サンマルチノらが築いた「古き良き時代のアメリカンプロレス」をほうふつとさせる名勝負となった。

 この試合はネット上でもプロレスファンの評判を呼び「これは名勝負」「今年の年間ベストバウトだ」「グンター、すごすぎ」「これがあるべきレスリングの姿」と絶賛の嵐。「グンターはCMパンクより上」との声まで上がったほどで、WWE幹部のトリプルHも大会後の会見で称賛した。
 
 グンターは先週のスマックダウンでルドヴィグ・カイザー、ジョバンニ・ビンチとインペリアムを再結成し、シェイマス組に快勝。見た目は地味だが、強くてすごいグンターに注目が集まっている。