全日本プロレスで活躍した元ジョニー・エースのジョン・ローリネイティス氏(60)が、〝ビンス不倫スキャンダル〟の余波で米WWEをクビになったと米メディアで報じられ、波紋を呼んでいる。

 プロレスサイト「PWインサイダー」の報道を複数の米メディアが伝えたところでは、ローリネイティス氏は2001年からWWEに在籍。現在はタレント・リレーション部門の責任者を務めていたが、先週の内に解雇されたという。

 解雇された理由には、多くの米メディアが総帥ビンス・マクマホン氏の不倫スキャンダルとの関連性を指摘している。米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は6月に、ビンス氏が不倫関係にあった元従業員に〝口止め料〟を支払ったとされる問題を、WWEの取締役会が調査中と報道。さらに過去16年にわたり、WWEに所属した、元選手を含む4人の女性に1200万ドル(約16億円)を支払っていたとも報じられた。

 これが大騒動となったことを受け、ビンス氏は7月22日に引退を表明したが、WSJ紙は最初の報道でローリネイティス氏の疑惑も追及。WWEの取締役会がこの問題を知ったのは、ビンス氏の不倫相手だった元従業員の友人からのメールとされる。そのメールには、ローリネイティス氏がその女性との不正行為に関わっていたことも記されていたという。この報道の後、同氏は休職に追い込まれていた。

 一方、WWEはビンス氏の不倫スキャンダルを受け、長女のステファニー・マクマホン氏がCEO兼会長に就任。ステファニー氏の夫で〝ザ・ゲーム〟ことトリプルHがローリネイティス氏に代わって、タレント・リレーション部門のトップに就いた。かつての〝極悪夫婦〟ことステファニー&トリプルHの新体制へと正式に移行したWWEマットでは、解雇されたカリスタ・クロスやダコタ・カイが電撃復帰したり、紫雷イオが「イヨ・スカイ」にリングネームを変えてロウに昇格したりと、大きな変化が起こり始めた。

 ローリネイティス氏は疑惑に関するコメントを公にはしておらず、WWEも同氏の退団を発表していない。ただ、「WWEの取締役会の調査は現時点ではまだ進行中」(PWインサイダー)という状況で新体制が発進した中、同氏のクビは必然だったのかもしれない。