ノア30日の両国国技館大会で、〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンが、ドラゴンゲートのドン・フジイと22年ぶりの邂逅を果たした。 

 桜庭和志とタッグを結成したカシンは望月成晃、フジイ組と対戦。カシンはここ1年ほどフジイを「ドンちゃん」の愛称で呼び、なぜか再会を熱望していた。それがついに実現。2000年5月5日の新日本プロレス・福岡ドーム大会以来の遭遇だった。

 カシンは桜庭とまったく同じコスチュームで登場。さらに2人で「オチャラケ」とプリントされたオレンジ色のマスクをかぶっていたため、背格好の似ている二人はどっちがどっちか全くわからなかった。

 その利点を生かし、リング下でタッチせず交代するなどやりたい放題。途中、マスクを剥がされる一幕もあったが、最後はフジイの攻撃を望月に誤爆させたカシンが押さえ込んでしてやったりの3カウントを奪った。

 試合後、カシンから歩み寄る形でフジイとガッチリ握手。そこから約1分、二人はなぞの熱い抱擁を交わした。何を見せられているのか分からない客席はたまったものではない。試合後の勝者はノーコメントだったが、フジイは「うっとりしちゃった。目をつぶっちゃったよ。(抱き合ったまま)1周回っちゃった」と頬を春色に染めた。

 一方で敗れた望月は「なんの接点もなかったのに! フジイが22年前、1回ネックブリーカーを食らっただけなのに! なのになんだ、あの求愛は!?」と謎のハグを糾弾。

 さらにカシンのメッセージをSNS上で配信する一部報道陣に対してフジイと声をそろえて怒りの矛先を向けつつ、最後は「この3年間、ノアで頑張ってきたよ。なのにこの仕打ちだよ。フジイからの誤爆で負けて、最後はあのハグ…?」と肩を落とした。

 再会を果たした〝ドンちゃん〟と〝悪魔仮面〟。この点が線になることはあるのか。