新たな船頭が方舟を導く! IT大手のサイバーエージェント(藤田晋社長)が29日、本紙昨報通りプロレスリング・ノアを買収したと発表し、新社長にはDDT社長でもある高木三四郎氏(50)、副社長には丸藤正道(40)が就任した。会見後、本紙の直撃に高木社長は団体再生への意気込みを激白。業界の盟主・新日本プロレスに強気の“挑戦状”を叩きつけた。

 ――新社長として目指すのは

 高木社長 まず“資産”をつくりたい。例えば動画がその一つ。うち(DDT)はそこに力を入れて映像班もあるので、そういった資産をきちんと残しながら経営を正常化していくことがまず第一かなと。あと、これはノアに限らないことですが、今は地方と東京の興行の在り方を見直さないといけない時代にきていると感じる。

 ――地方ですか

 高木 ビッグマッチは本当に大事でやらないといけないんですが、そのために大切なのは点をつないで線にすること。そこで重要なのは地方なんですよ。地方大会がただの通過点ではなくなるように。そして、地方でもビッグマッチを展開していく方が、経営的にはいいんです。

 ――ノアも過去に開催したことがある東京ドーム大会が最大の目標か

 高木 僕はまだその光景を見たことがない。経営者として、東京ドームは見たい光景ですよね。形はいろいろあるし、そのタイミングでベストな形でやればいい。たどり着く部分で「東京ドーム」っていうのが一つのキーワードだと思います。

 ――売り上げ目標は

 高木 新日本さんが40何億円、50何億円とかよく言うじゃないですか(2018年度の売り上げは約54億円)。だから5年でそこに到達できればというのはありますね。そのために大事なのは露出だと思います。勢力拡大? 今は考えてないですね。任されたものがあまりに大きいですし。DDTとノアと東京女子、この3つをどれだけ大きくしていくか考えないと。

 ――対新日本の意識は

 高木 正直、あります。「ずっと同じところがてっぺんにいても面白くないでしょ」というのが。我々が対抗勢力になることで、新たに生まれるものもあるかもしれないですし。こちら(サイバーエージェント傘下)にはノアがあって、DDTがあって、東京女子がある。あちら(ブシロード傘下)には新日本があって、スターダムがあるんですから。みんなそこを見ますよね。

 ――競争は激化しそう

 高木 中には「ブシロードとサイバーエージェントの代理戦争なんじゃないか」って言う人もいるでしょうけど(笑い)。形はなんであれ、今回のことは明るいニュースとして報道されたわけですよ。だからより一層「プロレス界は、そこまで盛り上がっているんだよ」っていうのを世間に伝えないと。逆にそういうことを伝えるのが新日本さんだけじゃダメだと思う。僕らも世間に広めるっていう部分を担えるようにならないと。

 ――相乗効果を生む関係が理想だと

 高木 この例えが適切か分かりませんけど、ジャニーズさんとLDHさんなんかそうだと思う。交わらないけど、それぞれに話題をつくるじゃないですか。そういう形で市場を開拓していければ。ジャニーズとLDHがあって韓流は…WWEですかね(笑い)。