新日本プロレスは7日に「戦略発表会」を開き、親会社のブシロード・木谷高明会長(62)が涙の団体批判を展開した。

 この日の戦略発表会では、2020年からコロナ禍で動員の苦戦を強いられた同団体の今後の展望が語られた。最後に登壇した木谷オーナーは「コロナで大変な中、レスラーも頑張ったし、皆さんも頑張ってきていただいた。それは分かる。内藤(哲也)選手いないんで、僕が代わりにちょっと会社批判していいですか」と断ると「1ファンの目線」とした上で団体の課題を羅列した。

 木谷オーナーは「コロナで家にいて、飲み会も減ったし、たまにしかないし。というなかでたまにチケット握りしめて会場に出向いて、できるのは拍手しかないわけですよ。声援もできないし。そんななかで、ブーイングしたくなるような試合ばっかりってあり得ないですよね。(見たいのは)拍手したくなるような試合一択だと思うんですよ、どう考えても」と、乱入・反則が多発化したリング上を問題視。さらには「僕から見てると、古い、遅い、変化を嫌っている、固い。今の日本と同じじゃないですか! それでは新日本プロレスが存在している意味がないんですよ」と団体の体質にも斬り込んだ。「日々の疲れを持った人に試合を見せることによって感動してもらい、未来を自分で開拓しようとしている人たちに夢を与える。感動とか夢を与えるのが我々の仕事なんですよ。それがこの程度で満足していてはダメだと思ってます。ここから『古い、遅い、固い、変化を嫌う』。これを変えていきたいと思います」と改革を提唱した。

 発表会内では新日本の課題の一つとして若手の台頭があげられた。木谷オーナーは「もっと若い人が実戦に出られる場を。100回の道場よりも1回の実戦だと思うんですよね。小さな会場では別にヤングライオンメインで構わないと思うんですよね。一人前にならないと(メインに)出しちゃいけないみたいな空気があるんですよね。僕は違うと思います。過程を楽しみたい人もいっぱいいるので」と持論を展開。黒パンツ、坊主頭からスタートするヤングライオンについても「まず個性をなくすところから始めるって、もうこれいったいいつの話だって話ですよね。150年前の発想ですよ。今は個性をどれだけ出すかって時代ですよ。最初は無個性でいいと思いますよ、一瞬。でもどんどん個性を出せる場を積極的に短期間に作ってあげるべきかなと考えています」と変革の必要性を説いた。

 木谷オーナーは真夏の祭典「G1クライマックス」(16日、札幌で開幕)を新日本再浮上のキッカケとすることを宣言。「僕の今日があるのは新日本のおかげ。猪木さんの試合に何度も感動させてもらったし、世界戦略を聞いて勇気を、夢を与えてもらいました。僕が47年前に新日本プロレスから、猪木さんから、夢とか感動、勇気、未来を与えてもらったように…プロレスファンの皆さんに夢とか勇気とか感動を与えて、生きる元気をそこから得てほしいんです」と号泣しながら団体再建を誓っていた。