新日本プロレス20日長岡大会で「NEW JAPAN CUP」準々決勝が行われ、ザック・セイバーJr.(34)が前年度覇者ウィル・オスプレイ(28)を撃破し4強入りを果たした。

 英国時代から激闘を繰り広げてきた両者の公式戦は、超が付くハイレベルな攻防の連続となった。場外鉄柵を使ったオスカッターを浴びたザックは、膝十字固めをはじめとした得意の関節技で左ヒザを攻め立る。チェルシーグリンからストームブレイカーを狙われると、回避してオクトパスホールドに捕獲。しかしこれを切り返され、人でなしドライバーでマットに突き刺されてしまう。

 さらにザックは首折り弾からジャンピングパワーボムを浴び劣勢が続く。それでもヒディンブレイド(ランニングバックエルボー)を三角絞めに捕獲して形勢逆転に成功した。オスプレイは強引に持ち上げて担ごうとしたがザックはこれもスリーパーホールドに切り返す。前方に投げ捨てられると足をキャッチし膝十字固めと変幻自在の関節技で追い詰める。

 さらにオスプレイが上のポジションからエルボーを打ち下ろすと、ザックはこれをかわしてヒザを極めながらのスリーパーホールドに移行。「セレクテッド・テクニカル・ワークスVоl.2」で完璧なタップを奪ってみせた。

 2018年にNJC初制覇を果たした会場で激勝を収め、鷹木信悟との準決勝(26日、大阪城)に駒を進めた。ザックは「過去よりも大事なのは現在だ。今年はNJC制覇だけでなく、あのIWGP世界ヘビー級王座(現王者はオカダ・カズチカ)のベルトもいただく」と豪語した。

 オスプレイはタップしていないと梅野源治ばり(20日のRIZIN、皇治戦)にレフェリーを批判したが、誰がどう見ても完全にタップしていた。「お前がタップアウトした相手は現在世界最高のテクニカルレスラーなんだから、恥じることはない。俺が大先輩だ。お前は俺を追い越し、飯伏(幸太)を倒してIWGP世界ヘビー級王者になった。でも今度は、俺が2回目のNJC制覇を果たしてベルトもいただく。お前が納得いかないなら、次はタイトルマッチで決着をつければいい。じゃあね」と貫禄のコメントを残したザックが、4年ぶりの頂点へあと2つに迫った。