【取材の裏側 現場ノート】全国各地で熱戦を繰り広げた新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」は、オカダ・カズチカ(34)の史上4人目となる連覇で幕を閉じた。
多彩な顔触れがそろった今大会は史上最多となる選手28人が出場したが、個人的に「出場がかなっていれば…」と思う選手がいる。全日本プロレスのジェイク・リー(33)だ。
きっかけは4月16日に開催された後楽園ホール「還暦祭」だ。30分ドローに終わった試合後、対戦相手の棚橋弘至から「新日本に上がってこいよ」と提案された。
これにジェイクも呼応。夏に向けて調整を続けていたが、G1メンバーにその名前はなかった。「俺に力があって、需要があれば有無を言わせず出られたはず。俺にはまだ、それが足りない」と語っているように現実を直視することになった。
結果的に実現はしなかったが、新日参戦への思いを発信し続けたことは後悔していない。むしろ大きな注目が集まったことで、手応えを感じている。
「会場に来たお客さんが、帰り道の居酒屋で『あれ、どうなるの?』『これ、どうなるの?』って酒を飲みながら語りあえる場を提供したいんですよね」と語るように、ファンが議論を交わせる材料を提供できたからだ。
そのきっかけを与えてくれたのが全日本の和田京平名誉レフェリーだ。「京平さんから『そうさせるのが俺らの仕事だ』って言われて、ああなるほどなって。僕らが見せるものは自己顕示欲を満たすためのものではないと分かったんです」と振り返る。
その言葉を聞いてから、ジェイクは「この場で終わらせるんじゃなく、ネクストにつなげる。点と点をつないで線にする。想像力をかき立てるものを発信する」という信念のもと行動するようになったという。
「点と点を線につなげると、他のものが生まれるかもしれないし。G1と(3冠ヘビー級王座挑戦を目標とした9月18日の)日本武道館は望むような結果にならなかったけど、次はどうするのか見てもらいたい」。今後もその言動に注目だ。
(プロレス担当・小坂健一郎)












