【全日本】諏訪魔 打倒宮原へ9年前の記憶と向き合う

2020年03月18日 16時35分

諏訪魔は湘南の海をバックに遠くを見つめた

 プロレスの力を信じろ! 全日本プロレスの“暴走男”こと諏訪魔(43)が、新型コロナウイルスの感染拡大の真っただ中で迎える3冠ヘビー級選手権への思いを語った。王者の宮原健斗(31)に挑戦する23日の東京・後楽園ホール大会を前に胸に去来したのは、同じく日本中が自粛ムードに包まれた9年前の“あの記憶”だ。

 新型コロナウイルス禍の影響で興行を延期している全日本は、23日の後楽園大会から再開する。同大会で3冠戦を控える諏訪魔が向かったのは、慣れ親しんだ湘南の海だった。臨時休校の影響か、多くの子供たちが波打ち際ではしゃぐ姿を穏やかな表情で眺めながら切り出した。「今回のことで9年前の、東日本大震災のころを思い出したんだよ。あの時も自粛ムードのなか、3冠戦を戦った。俺はこういうタイミングで大事な試合をする運命なのかなってね」

 忘れもしない。2011年3月11日の震災当時、3冠王者だった暴走男は同21日の両国国技館大会でKENSOを相手に防衛戦を行い、V3に成功した。「震災直後は『プロレスなんてもうやれないんじゃないか』って思うこともあった。それでも何とか大会は開催されてさ。自粛ムードだったけど、リング上からもお客さんの歓声が聞こえて、元気な表情も見えた。本当に、プロレスの力ってあるんだなあって思ったのを覚えてますよ。プロレスは人を元気にする力があるんだよ」と振り返る。

 だからこそ、9年前と重ね合わせるように自らを奮い立たせた。「今回もプロレスの力で元気を? 状況が違うから、すぐに『そうだな!』とは言えない。でも試合が終わった後、同じように俺の中で何かが変わるんじゃないか」と決意を改めた。そのためにも、まずは同王座の最多連続防衛記録「V10」に並んだ宮原政権にピリオドを打たなければならない。

 勝利への自信もある。「勝つよ。俺にはまだまだやらなきゃいけないことがあるからな。カギを握るのはスープレックスだろう。宮原はタフだからぶっ倒れるまで10回でも20回でもぶん投げる」と戦略を語りつつ「『お客さんがみんなマスクをしているから、歓声が湧きにくくてやりにくい』ってよく聞くんだけど、俺には追い風だな。静かな試合なんか慣れてるから。(08年8月31日の)太陽ケアとの3冠戦での60分時間切れ引き分けの時なんか、お客さんが疲れてシーンとしてたし」と続けた。独特な空気で行われることが確実な3冠戦。見えない敵を打ち破り、7度目の戴冠で自身の持つ最多記録を更新する。