【プロレス蔵出し写真館】巨人の長嶋茂雄終身名誉監督が6日、体調不良を訴え、東京都内の病院に緊急搬送された。命に関わる状態ではないというが、肝を冷やしたニュースだった。

 長嶋氏は王貞治と「ON」として巨人のV9に貢献し、引退後は指揮官として巨人を支えた。04年3月に脳梗塞を患い、今も右半身にまひが残っていて、懸命なリハビリを続けている。

 その長嶋氏と、誕生日が同じ(2月20日)なのがアントニオ猪木だ。難病の「心アミロイドーシス」と懸命に闘っている猪木は、8月27日に放送された日本テレビの「24時間テレビ45 愛は地球を救う」で、現在のありのままの姿を視聴者に見せた。

 1936年生まれで86歳の長嶋氏と1943年生まれで79歳の猪木。7歳違いの2人の接点は、意外なことに、ほとんどない。

 公には08年に催された張本勲の無窮花(むくげ)章受勲パーティー、そして92年7月7日、猪木が党首だった「スポーツ平和党」から参院選に出馬する江本孟紀の選挙応援に長嶋氏が訪れた際に、談笑する姿が目撃されている程度。

 2人が初めて顔を合わせたとみられるのは、今から52年前の70年(昭和45年)10月1日、永田町の首相官邸だった。

 この日は、佐藤栄作総理招待によるプロスポーツ関係者との懇親会が中庭で盛大に行われた。各界から約300人が集まり、相撲界からは横綱大鵬を始め、新大関に昇進した大麒麟、高見山、二子山親方に高砂親方。プロボクシングWBC世界J・ライト級王者の沼田義明、WBA世界スーパーフェザー級王者の小林弘。野球界からは、巨人の長嶋氏、王貞治、金田正一。阪神の村山実、そして大洋の松原誠が出席。

 プロレス界からはジャイアント馬場と猪木が招待された。前日の福山からこの日駆けつけた2人は「眠い」を連発。猪木は八田一朗・日本レスリング協会会長を介して、佐藤首相と握手をかわした(写真)。

 佐藤首相は馬場、猪木の大きさに「首相が小さく見えます!」などと冗談を飛ばし、ご満悦の様子だった。当時はレスラー=デカいが一般的な概念だった。

 前日の福山で、猪木は星野勘太郎と組んで「NWAタッグ・リーグ戦」1回戦でフランキー・レイン&バッド・ラーテル組と対戦。2本目、レインに華麗なジャーマンを決めていた。

 日本プロレスで猪木の序列は、馬場に次ぐ2番手。それでも、11月5日に台東体育館で行われた優勝戦ではニック・ボックウィンクル&ジョニー・クイン組と60分3本勝負で対戦。1―1から時間切れに終わり延長戦に突入。12分9秒、猪木がニックから卍固めでギブアップを奪い70分超えの死闘を制した。試合内容では馬場に引けを取らなかった。

 翌71年も、猪木は坂口征二と組み連覇を達成。11月1日、東京体育館で優勝を果たしたリング上には翌日結婚式を挙げる婚約者・女優の倍賞美津子が登場し、テレビのインタビューを受けるという粋な演出。猪木時代が確実に近づいているのを予感させた。

 一方、長嶋氏は70年に3年連続打点王。71年は2000安打を達成し、セ・リーグMVPにも輝いた。人気があるものの代名詞で流行語になった〝巨人・大鵬・卵焼き〟はまさに長嶋氏の人気に寄るところが大きい。

〝燃える闘魂〟猪木と〝燃える男〟長嶋氏。昭和を代表するスーパースターで、「国民的スター」だった2人の今後はどうなっていくのか。注視して見守りたい(敬称略)。