新日本プロレスと米国AEWの合同興行「Forbidden Door」(26日=日本時間27日、イリノイ州シカゴ)で行われたIWGP世界ヘビー級王座戦は、ジェイ・ホワイト(29)が4WAY王座戦を制して初防衛に成功。オカダ・カズチカ(34)の王座返り咲きはならなかった。

 複雑な人間関係が展開されたIWGP世界王座戦線は、新日本の最高峰王座史上初の4WAY形式が採用された。オカダはアダム・コール、ハングマン・ペイジとともに挑戦者に名を連ね、12日大阪上大会でジェイに奪われたベルトの奪回に挑んだ。ケニー・オメガ、クリス・ジェリコとAEW旗揚げメンバーたちと数々の激闘を繰り広げてきたこともあり、現地では熱狂的な歓声で迎えられた。

 特大の「オカダ」コールで後押しを受けたレインメーカーだが、互いの思惑が絡み合う4WAY戦ではなかなかフィニッシュホールドが決まらない。目まぐるしく攻守が入れ替わるなかでコールのスーパーキック連発を浴びたオカダは、十八番の打点の高いドロップキックで応戦。さらには開脚式ツームストンパイルドライバーをさく裂させてグロッギーに追い込んだ。

 しかし必殺のレインメーカーを繰り出そうとした瞬間に、コールが崩れ落ちて決めることができない。すると背後から忍び寄ってきたジェイのブレードランナーでまさかのKO。ジェイがグロッギー状態のコールをカバーして3カウントを奪い、大乱戦に終止符が打たれてしまった。

 まさに漁夫の利を得たジェイが初防衛に成功し、オカダはベルト奪回に失敗。「G1クライマックス」(7月16日、札幌で開幕)を前に政権交代を果たすことができなかった。