〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏(78)の闘病生活に密着したドキュメンタリー番組「燃える闘魂 ラストスタンド~アントニオ猪木 病床からのメッセージ~」が27日にNHK・BSプレミアムで放送され、プロレスファンに大きな反響を呼んだ。

 番組を手がけたのは共同テレビジョンのプロデューサーで猪木氏の弟子、KENSO(ケンゾー)こと鈴木健三氏。2002年2月の新日本プロレス札幌大会で猪木氏から新日本の現状を問われ、「僕には明るい未来が見えません!」と叫んだのは語り草だが、ケンゾーの熱意に押され猪木氏が密着取材を許したという。

 番組の冒頭では、猪木氏の病名が「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」と明かされた。これはアミロイドという物質が心臓をはじめ全身にたまり、血液循環が悪くなる難病だという。18年に発症し、これまで「心アミロイドーシス」とされてきたが、今回の闘病生活で正式な病名が公表されたのは初めてのことだ。

 さらにリハビリ風景も公開し、猪木氏は「本当はこういう映像は見せたくなかったんですけどね。これも一つの強いイメージばっかりじゃなくて、こんなにも〝もろい弱い〟。そういう一つの人間としてそういう場面があっても良かったのかなって」と密着取材を受けた意味を語った。

 また、昨年12月28日に療養中の青森で腰に痛みを発して敗血症で緊急搬送されてから、闘病を続けており、それから入退院を繰り返していることも明らかになった。

 番組ではベイダー戦やモハメド・アリ戦、ウィリー・ウィリアム戦などの激闘の歴史を、VTRと東京スポーツ新聞社提供の写真などで振り返りながら、弟子の馳浩氏、新日本・棚橋弘至、藤波辰爾、古舘伊知郎アナ、作家の村松友視氏、格闘家の青木真也ら関係者によって猪木氏のエピソードが語られた。

 すべてをさらけ出した強烈な猪木イズムに、SNSでは「泣ける」「日本シリーズも熱いけど、猪木ドキュメンタリーが胸熱すぎる」「病の姿はショックですが、いつまでも燃える闘魂でいてください」「すげーなアントニオ猪木は」「古舘さんの『全身アントニオ猪木』が良かった」などの声が上がっていた。