【柏原純一「烈眼」】阪神がこれまで分の悪かった広島に甲子園で3連勝。CS進出を争う3位争いのライバルに対し、僅差勝ち(30日)、逆転勝利(31日)、完勝(1日)とバラエティーに富んだ内容で制したのも、今後に向けて大きな収穫だ。

 もちろん3位確保もまだ〝安心〟できる状況にはないが、この3連戦のような戦いをぜひとも再現してもらいたい相手がいる。ヤクルトとDeNAの上位2チームに対してだ。残り19試合でこの2チームとは、ヤクルト6試合、DeNA3試合を残している。現状、対ヤクルトは8勝11敗、対DeNAは9勝13敗と、決してくみしやすい相手ではない。

 当面の目標である3位以内を確保すべく「勝ち」を拾わなければいけないのはもちろん、対広島戦のような内容で勝ち切れれば、CSで生きてくる。相手側からすれば嫌なイメージを植えつけられたうえで、一発勝負の「短期決戦」に臨まなければならないという構図を作ってもらいたい。

 カギを握るのはやはり打線だ。とりわけ近本、佐藤輝、大山のクリーンアップの3人。広島3連戦では、初戦を大山の決勝弾で制したのをきっかけに、2戦目は3人ともに複数安打、3戦目も全員が安打し3戦連続で打点を稼いだ大山に加え、近本に一発、佐藤輝が3点適時打と全員に「打点」がついた。これが何より理想的に機能した証しとも言えるだろう。

 阪神投手陣はここまでヤクルト、DeNAとの直接対決では、村上やサンタナ、牧やソトなど勝負どころで敵の中軸打者に手痛い一撃を食らってきた。リーグ唯一のチーム防御率2点台の充実のスタッフをもってしても、こういった結果になるのだから、これについてはある意味では仕方ない。

 今後は、そういった後々にも響くダメージある「敗戦」を逆に阪神打線が敵投手陣に与えることができるか。阪神投手陣ほどではないにせよ、ヤクルトにしても、DeNAにしても、投手陣は競り合いを制するためのいわゆる「勝ちパターン」の継投の形を持ったチーム。この牙城をレギュラーシーズンのうちに一度、ブチ壊して勝つことができれば〝先々〟にむけて単なる1勝にとどまらない価値を持つ。

 4位・巨人に4ゲーム差をつけ、勝率5割に復帰した現状に満足することなく、とにかく最後まで徹底的に「上」を意識した戦いを貫いてもらいたい。

(野球評論家)