〝ノーモア3・25〟で巻き返す――。阪神・矢野燿大監督(53)が28日に甲子園球場で行われた全体練習に参加し、球宴明けの後半戦に向け「ここからが本当のスタート。ここからすごい奇跡やドラマが起こるとなれば、とんでもないことになると思う。そういうものを自分でも信じて、思い描いて、楽しむ努力をしていきたい」とミラクル逆転優勝に意欲をのぞかせた。
レギュラーシーズン再開は、首位を独走するヤクルトとの本拠地甲子園での3連戦(29日~)から。11ゲーム差を引っくり返すのは容易ではないとはいえ、いきなり3連勝でもしようものなら球界内外がザワつき始めても不思議ではない。
この日は新型コロナウイルス陽性判定を受け、戦線離脱していたカイル・ケラー投手(29)が、久々の実戦形式となるシート打撃に登板し、ロハス、新加入のロドリゲスなどを打ち取るなど健在をアピールした。6月以降は11試合に登板し、わずか1失点。防御率0・84と驚異的な働きを見せている右腕の復帰は頼もしい限りだが、矢野監督は早期一軍昇格について「ないない。まずは何試合かファームで投げてから」と明言した。
〝見切り発車〟は避け、まずはファームでしっかりと状態を見極める考えを示した理由は明確だ。複数の球団関係者が「あれが今季最初にして最大の悪手やった」と指摘するのが3月25日の開幕・ヤクルト戦(京セラ)でのケラーのクローザー起用。新型コロナ禍による来日遅れで調整が不十分だった右腕を9回のマウンドに送った継投策が大失敗し、最大7点あったリードを逆転される悪夢を味わった。ここから歯車が狂った阪神は開幕から17試合で1勝15敗1分けと大きく出遅れたことは記憶に新しい。同じヤクルト相手の後半戦のしょっぱなに、同じ過ちを繰り返すわけにはいかないというわけだ。
救援陣全体の再整備に成功した阪神は、守護神の岩崎を筆頭にセットアッパーの湯浅、浜地など防御率1点台の好投手を数多く擁する。今は〝急がば回れ〟の精神で、空高く飛ぶ燕を少しずつ追い詰めていく。












