阪神・青柳晃洋投手(28)が26日の「マイナビオールスターゲーム2022」第1戦(ペイペイ)で、初めて全セの先発を務めた。

 持ち味は存分に発揮した。本人は「特別なボールはないんで」と謙遜していたが、変則右腕から繰り出されるツーシームと直球のコンビネーションは脅威そのもの。前半戦だけでマークした11勝(1敗)、防御率1・37と12球団ぶっちぎりの好成績を残してきた。

 この日は2回を投げ、許した安打は山川(西武)の豪快ソロのみで1失点。投じた33球のうち19球がツーシーム、11球が直球だった。打者7人から挙げたゴロアウトは3つで2奪三振。初回一死一塁では、吉田(オリックス)を得意のツーシームで引っかけさせ、一ゴロ併殺で打ち取った。

 大役を終えた青柳は「ちょっと緊張しましたけど、楽しむことができました」と満足げ。ど真ん中に放ったツーシームをスタンドまで運ばれた山川の一発には「いやあ、もう完璧でしたね。あんな気持ちいいホームランは久しぶりに打たれました。称賛しかないです」と笑顔ですがすがしささえ漂わせた。

 球宴が終われば、29日から後半戦がスタートする。阪神は2位で首位ヤクルトに11ゲーム差。「前半戦をいい形で(勝率)5割で終わることができたので、後半戦は首位ヤクルトをどうやって抜かすかということだけを考えて、1勝1勝積み上げていきたいなと思います」(青柳)。つかの間の夢舞台を経て、逆転Vへ腕を振る。