夏本番を前に、阪神を取り巻く在阪テレビ局が複雑な思いを抱えている。

 首位を快走した昨夏は「あかん阪神優勝してしまう!」や、オリックスとの日本シリーズを期待した「あるで!?夢の関西対決」など、この時期からNHKや民放各局が総力を挙げ、猛虎のVを見据えた特番作りに着手。久々のVを盛り上げるべく各局、趣向を凝らし〝その時〟に備えたが、結局とりこし苦労に終わった。

 迎えた今年のペナントレースは、ヤクルトが独走。阪神は開幕からまさかの低迷も、交流戦で盛り返し、Aクラスをうかがう位置まで上がってきた。矢野監督が今季限りの退任を表明していることもあり「まだ特番という空気じゃないですけど〝有終V〟となれば、それなりの特集を、とはどの局も考えてるみたいですけど。今のままでは…」と関係者が頭を悩ませている。

「このままだとスポーツ枠の中での扱いは〝尺〟的にも短くならざるを得ない。8月は高校野球の注目が高まりますし。もちろん、個人の活躍で目覚ましいものがあれば、それはそれで扱いますが、チームの勝敗などは、CS争いとか再度、順位がクローズアップされる時期まで〝つけたし程度〟になるかもしれません」(同関係者)

 残り68試合。果たして今後の猛チャージで昨年のような〝熱い夏〟を取り戻せるか…。