阪神・中野拓夢内野手(25)が9日の「マイナビオールスターゲーム2022」ファン投票中間発表で、巨人・坂本を抜きセ・遊撃部門のトップに立った。

 2020年のドラフト会議で阪神に6位指名されて入団し、ルーキーイヤーから遊撃の定位置を確保すると盗塁王のタイトルも獲得。好球必打の積極的な打撃、ミスを恐れぬ攻撃的な守備、勇気を持って次の塁を狙い続ける走塁は今季も健在で、全62試合にスタメン出場し打率2割7分1厘と安定した数字をマークしている。

 盗塁数もリーグ2位の14と2年連続のタイトル獲得へ視界良好。「2年目のジンクス」に飲み込まれることなくシーズンを戦い抜くことができれば、オフにはさらに新たな〝勲章〟を手にするチャンスも到来している。

 今年のここまでのセ・他球団を見渡すと、どのチームも正遊撃手の低調ぶりが顕著。球宴ファン投票も含めここ数年、ベストナイン、ゴールデングラブ賞(GG賞)などのセ・遊撃部門タイトルをほぼ〝独占〟してきた巨人・坂本は先月1日に右ヒザを痛め、この日約1か月ぶりに一軍復帰したが、長期の戦線離脱の影響で、現時点での規定打席には未到達。中日・京田は不振で、今もファーム暮らしが続いている。強力なライバルたちが状態を落としている今季は、中野にとってベストナインやGG賞獲得の絶好機だ。

 リーグナンバーワンの遊撃手になるためにも、球界の世代交代を推し進めるためにも、巨人・坂本は避けては通れぬ相手。虎の背番号51は〝ラスボス〟を倒すことができるか――。