週末に向け、絶好の予行演習にもなった。阪神は交流戦開幕戦となった24日の楽天戦(甲子園)に1―0で競り勝った。

 試合は阪神・西勇、楽天・田中将の投げ合いで息詰まる投手戦に。0―0の6回二死二塁、大山が「とにかく必死に食らいついていきました」と決勝の中前適時打を放ち、5人の継投で逃げ切った。

〝先々〟を見据えても、価値ある1勝だ。今後の交流戦では完全試合男・佐々木朗(ロッテ)、ノーヒッター・東浜(ソフトバンク)、日本のエース・山本由伸(オリックス)ら好投手との対戦が続くことが濃厚。中でも、27日に対戦が有力な佐々木朗は、現在の球界で最も攻略が難しい投手だ。

 ただでさえ1試合の平均得点が3点台前半と低調な阪神打線にとっては厳しい相手だが…。佐々木朗を複数試合観戦した球界関係者は「甘くても160キロはプロでも簡単にはとらえられていない。みんなその直球待ちのタイミングで『フォークが来たらすいません』で行って凡退。初対戦で作戦とか対策を実行できる相手ではない」としながら、中軸打者に千載一遇の〝好球〟が来る可能性も指摘した。

「佐々木朗は柳田(ソフトバンク)や吉田正(オリックス)には、直球とフォークだけじゃなく、スライダーやカーブなども混ぜて目先を変える工夫をしている。フォークも含めてだけど、変化球の投げミスを一発でしとめられるかどうか。『来た』と思ったチャンスボールに反応できれば」

 この日、大山の適時打は、楽天・田中将の数少ない失投とも言える浮いたスライダー。矢野監督は試合後「明日はテルとマルテに打ってもらいます」と中軸勢のさらなる爆発を期待した。この日で「3」となった連勝継続はもちろん、対楽天戦のうちに個々の状態をさらに高める作業は、週末の〝大物食い〟へ向け、必須となりそうだ。