【赤坂英一 赤ペン!!】昨年来、エンゼルス・大谷翔平投手(27)にアドバイスを請う選手が日米で増えている。例えば、今季から巨人に移籍した新外国人投手、マット・シューメーカー(35)だ。

 彼はキャリアハイの16勝を挙げた2014年、エンゼルスで先発ローテの一角を担った。18年にエンゼルス入りした大谷とはプライベートでもよく食事をして親交を深めている。巨人移籍が決まった昨オフは自ら大谷に連絡を取り、アドバイスを求めたそうだ。

 このとき、大谷が強調したのが、日米の野球の違い、技術的な助言以上に、日本の文化や習慣を理解すること。常にそういう気持ちを持って日本で暮らせば、きっと日本が大好きになるはずだ、と大谷は説いたという。来日直後は日本の生活になじめず、ストレスを抱え込む外国人も多い。そんな中で「日本の文化を積極的に知りたい」とシューメーカーが前向きなのは、大谷の助言があればこそだろう。成績(1勝2敗)に反映されていないのが残念だが。

 また、昨年から日米で「俺も二刀流を目指す」という選手が増加。彼らも続々と大谷にラブコールを送っている。

 MLBでは昨年10月、レッドソックスのアレックス・バードゥーゴ外野手(26)がリリーフ投手との二刀流転向を表明。来年中に投手でメジャーデビューを果たしたいという。現在はそのための新たな調整法を研究中だそうで、日米のメディアで「どうすればいいか、大谷に教えてほしいんだよ」と発言している。

 一方で、大谷の古巣・日本ハムでは逆に、リリーフ投手の上原健太(28)が昨オフ、野手との二刀流挑戦を決断。ただし、こちらもバードゥーゴと同じく、どのように練習メニューを組めばいいのか試行錯誤の最中。そこで、スポーツ紙を通じて大谷に「何か情報くれ」と助言を求めていた。こうした二刀流志向の選手が増えていることについて、昨年11月の記者会見でこう話している。

「個人的にはすごくうれしいこと。(二刀流を)受け入れてくれる環境があるだけでもうれしい。メジャーリーグを見てると、投げてもすごいんだろうな、打ってもすごいんだろうなっていう選手がたくさんいますから。そういう選手の可能性を見てみたいと思います」

 最近では、そんな大谷に声をかけられるだけで「大変光栄」と感激する大リーガーも少なくないという。かつてイチローも日米で多くの“信者”を生んだが、今や大谷が新たな“教祖”になりつつあるということか。
 
 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。