重苦しいムードを振り払った。広島は7日のDeNA戦(マツダ)に延長10回、2―1でサヨナラ勝ち。前日6日も延長11回、4時間を超える熱戦を演じた相手と2試合連続で延長戦を戦い、この日はサヨナラ勝ちを収めた。

 ヒーローは西川龍馬外野手(27)だ。1―1の延長10回、二死走者なしでDeNA6番手・三嶋の3球目、139キロの変化球をとらえ右翼スタンドへ3号ソロを放った。一塁を回ったところで本塁打とわかると、西川は右こぶしをかかげた。

 9回までは自身、無安打。プロ初のサヨナラ本塁打でお立ち台に立った西川は「何とか最後に打てればと思って打席に入った」と振り返り「ちょっと詰まったんで(スタンドまで)いかんかなと思ったんですけど。入ってくれて良かった」と笑みを浮かべた。

 得点圏打率はリーグ4位の3割8分9厘。今年は勝負強さが光る。西川は「気持ちの部分が大きい」と明かす。「昨年は気持ちで沈む部分があったんですけど、今年は自分の感情をある程度コントロールしながら、我慢しながらやっている」

 昨年まで4番を務めた鈴木誠也が大リーグへ移籍。自身の立場の変化も認識している。「もう中堅ですし、試合に出ている以上、責任感を持ってやらないといけない。若い子も多いので」と西川。チームの中心として、その背中で覚悟を示している。