中日・立浪和義監督(52)の選手を見極める〝眼力〟に周囲がうなっている。17日の広島戦(マツダ)では打線が今季最多の18安打10得点と大爆発し、10―4と大勝。再び貯金を3とし、首位・広島に1・5ゲーム差まで詰め寄った。

 開幕から全試合で先発起用してきた岡林を外し、新人・鵜飼を4試合ぶりにスタメン復帰させてプロ初の2番に抜てき。すると打線はその鵜飼が27打席ぶりに2号ソロを放つなど広島先発・森下に襲いかかり、2回までに大量8点を奪いKOした。立浪監督は「昨日、打撃カウントからフライを打ち上げてへばったような打撃をして、岡林の調子が悪かったので。鵜飼は相手に非常にプレッシャーがかかると思って2番にした」と、してやったりの表情だ。

 ヒーローとなったビシエドも試合前まで得点圏打率1割を切っていたが、初回に今季初めて適時打を放ち、打線は波に乗った。前日16日に立浪監督はリナレス巡回コーチを交えてビシエドに打撃指導を行っており、それが奏功した格好だ。

 昨季は405得点、69本塁打とも12球団ワーストと深刻な貧打にあえいだ中日だが、17日現在で66得点、14本塁打はいずれもリーグ3位と奮起。チーム関係者は「とにかく立浪監督はシーズン中でも試合前練習で打撃ケージの後ろからずっと選手を見ていて、状態を見極めながらそれぞれに的確なアドバイスを送っている。これまでの監督がやってこなかったことを実践して、得点力を何とかアップさせているのはさすが」と舌を巻く。

〝立浪流眼力〟で強竜打線の復活に大きな期待がかけられている。