ただ抑えるだけじゃない。ソフトバンクが開幕7連勝と絶好調だ。パ・リーグ全球団のチーム打率が2割3分以下と攻撃陣のエンジンがかからない中、小差の勝敗を分けているのは投手陣の踏ん張りだろう。とりわけ自慢の救援陣はモイネロ、森と実績ある「勝ちパターン」の安定に、中日からFA加入した又吉克樹投手(31)が一役買っている。

 ここまで4試合に登板して1勝1セーブ1ホールド、防御率0・00。働き場所に固執しない自称「便利屋」は有言実行の活躍を見せている。昨オフ、早々に狙いを定めて速攻で口説き落としたフロントはもちろん、現場も期待以上の貢献度に目を細めている。

 必要とされることを意気に感じて投げたがる右腕の「調整係」でもある森ヘッドコーチは「本当にありがたい」と最敬礼で、鉄腕の献身性には森山投手コーチも「両サイド、高さもしっかり投げ分ける。一球一球の意思が伝わってくる。それは試合を見ていても納得がいく。他の投手もああいうところは感じてやってほしいし、勉強になっていると思う」と投球術を駆使する〝教材〟としての存在価値を強調する。

 さらに森山コーチは、こんな裏話も明かした。「あいつ、最初のほうも『延長のことを考えたら回またぎでもいいですから』って。そういうところは、こちらとしてはありがたい」。今季から3年ぶりに延長12回制が復活。首脳陣としては故障予防に配慮する必要もあるが、実績あるリリーバーが身を粉にして働く意思を示してくれたのだから頼もしいことだろう。

 新戦力・又吉の献身は、見えないところで常勝軍団の「守り勝つ野球」を支えている。