中日・中村打撃コーチが語る課題と可能性 OB前田幸長氏が直撃「根尾はどう?」

2022年02月26日 07時30分

中村コーチ(右)を直撃した前田幸長氏(東スポWeb)
中村コーチ(右)を直撃した前田幸長氏(東スポWeb)

 今季こそ覚醒の時を迎えるか。2018年のドラフト1位、中日・根尾昂内野手(21)はここまで大きな期待をかけられながらも目立った活躍を残せていない。立浪監督から外野一本で勝負をかけるように厳命を受け、定位置取りを目指す竜の若武者にとって課題はとにかく打撃だ。沖縄・北谷キャンプで指導する中村紀洋打撃コーチ(48)を本紙評論家の前田幸長氏が直撃し、伸び悩む背番号7の現状を聞いた。

【前田幸長・直球勝負】春季キャンプで猛練習に励む根尾の姿から必死さが伝わってきた。おそらく今の立ち位置に自らも危機感を覚えているのだろう。

 北谷球場の三塁側ベンチで視線を送っていた私に対し、彼は深々とお辞儀をしながらあいさつへやってきた。真面目な性格は高校時代、そしてプロに入ってもルーキーイヤーから変わらない。とても素晴らしいことだ。しかし実際に顔を合わせるとやや硬い表情からは心なしか、どこか苦悩しているようなところも垣間見えた。

 昨年の秋季キャンプから指導している中村打撃コーチに「根尾はどう?」と尋ねてみると神妙な顔つきになり、少し言葉を選びながら「言ったことが次の日になったら元に戻ってしまうんですよね」と現状での課題を挙げていた。聞けば中村コーチは就任早々、秋の時点で各打者にテーマを与えてオフの間も自発的に取り組むことを促していたという。当然のように根尾も〝宿題〟を念頭に自主トレを積み上げてきたはずだが、今回の春季キャンプにおける中村コーチからの寸評は「ゼロから1に行ったかなと思うと、またゼロに戻ってしまう。その繰り返しです」と手厳しかった。

 だが、決して突き放しているわけではない。逆に中村コーチは根尾に誰よりも大きな可能性を見い出している。あえてホメようとしないのも、本人が慢心して殻を打ち破れなくなってしまうことを懸念しているからだ。言うならば愛情の裏返しでもある。実際に中村コーチは「彼が変えていかないと2の段階、3の段階に行けないんです」とも熱く語っていた。そして「一軍のレギュラーになるためにはやはり5ぐらいの段階が必要なのか」との問いには「違うんですよ。3でいいんです」。

 根尾に対し、名うての大打者だった中村コーチにはまだまだ「3段階」まで伝えたいことが数多くある。そのためには根尾が気づかないうちに、どこかで「1の壁」を作ってしまっている自分の殻を打ち破る必要性があるだろう。天才肌ゆえに伸び悩んでしまっている現状から脱却するには一度、フラットな考えですべてを受け入れてみるのも手ではないだろうか。根尾が4年目の大ブレークを果たすことを中村コーチも私も中日OBとして待ち望んでいる。(本紙評論家)

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