阪神OBの下柳剛氏が今月に開設したユーチューブチャンネル「柳に風」で、自身の投球術の神髄の一端をつまびらかにした。

 精密な制球力と打者との駆け引きのうまさを武器にした左腕は、2005年に37歳にしてセ・トップの15勝を挙げ岡田阪神のリーグ制覇に大きく貢献。キャッチャーミットを正視しない独特な投球フォームの持ち主だったが、これには明確な理由があったそうで「ミットを見すぎると体が前に突っ込んでしまうので、間をとって投げたかった。コントロールの悪いピッチャーは(キャッチャーミットや打者を)見すぎてしまう」と下柳氏は説明する。

「人間は(一つの対象を)見すぎると力が入りすぎ、フォームが縮こまってしまい伸びやかな腕の振りができなくなってしまう。(自分はキャッチャーミットを)ボーっととしか見ていなかった。そうやってアバウトに構えると投球中にバッターの動きも見えてくる。『ああ、インコースを引っ張りたいんやな』、『アウトコースを待ってるな』とね。良い子の皆さん、見すぎはダメです」(下柳氏)

「この話は(総合格闘家の)桜庭(和志氏)ともしたことがある。そしたら(桜庭氏も)相手のパンチはボーッと見るようにしていますと言っていた」と振り返った下柳氏。野武士のような風貌がトレードマークだった同氏らしく、沢庵和尚の「葉を見たら木が見えない。木を見たら山が見えない」の言葉を引用し、「見ずに見る」の極意を説明した。