田中将大意外だった?楽天残留の諸事情 メジャー数球団が獲得に動いていたが…

2021年12月04日 11時30分

楽天に残留する田中将。来季の目標は日本一奪回だ!!
楽天に残留する田中将。来季の目標は日本一奪回だ!!

 

   これ以上ない“補強”だ。楽天は3日に公式ホームページで田中将大投手(33)と来季の契約を結んだと発表した。4日に本拠地・楽天生命パークで開催されるファン感謝イベントにも田中将は参加することになり、同HPを通じて「明日のファン感で直接ご報告させていただきます。皆様にお会いできるのを楽しみにしています!」とコメントした。米国で今オフのMLB復帰も濃厚視されていた中、舞台裏では何があったのか――。 

田中将は楽天復帰時に2年契約を結んだ。ただ、今年1月の入団会見で「1年が終わった段階で球団とお話しする機会を設けてもらっている。どうなるか自分も分からないが、まだアメリカでやり残したことがあると思っている。ワールドチャンピオンのリングもまだ手にしていない」と今季終了後のオプトアウト条項が含まれていることを明かし、今オフのメジャー復帰の可能性を示唆していた。

 今季終了後、石井監督は田中将に関し「必要な選手。このチームにとって特別な選手なので、いろいろと決断について話し合っていきたい」と強く残留を望み、1日から交渉する意向を示していたが、早々とかなった。

 ヤンキースから8年ぶりの古巣復帰となった今季の田中将は右ふくらはぎを痛めて開幕から3週間出遅れるも、23試合の登板で4勝9敗、防御率3・01。打線の援護に恵まれず自身初のシーズン負け越しとなったが、安定感は際立っていた。

 特にMLBで重視される投手指標の一つであるWHIP(1イニングに許す走者数)で今季の田中将は1・05をマーク。パ・リーグ5冠・山本由伸(オリックス)の0・85に次ぎ実は同2位だった。規定投球回数をクリアした今季のパ先発投手の中で田中将の援護率は「2・16」と極端に低い。

 こうした“見えにくい指標”が海の向こうからも高い評価を得ていた。「今後の状況次第だが、田中将の獲得にはMLBで5~7球団は興味を示すはず」(ア・リーグ球団極東担当スカウト)と争奪戦勃発を予想する声もあった。

 それではなぜ、田中将はMLB復帰ではなく楽天残留を選択したのか。前出のスカウトは「ここ数日で米国における諸々の状況が“ロックアウト”と“オミクロン”で激変したことも間違いなく大きな要因」と解説し、次のように続けた。

「MLBと選手会の新労使協定が期限までに合意せず、現地時間2日からロックアウトに突入したことは田中を楽天残留へ大きく傾かせたはずだ。両者の決着が見えにくい中、ロックアウトの間は交渉が一切ストップしてしまうことで田中の代理人側も動こうにも動けない。この先どうなるか分からないMLBよりも日本のほうが遥かにいいと考えるのは自然の流れ」

 MLBのマンフレッド・コミッショナーは「両者は再びテーブルに着き、合意に至ると思う」と、選手会との新協定を巡る交渉が来年3月31日の開幕までには妥結するとの楽観的な見通しを示しているが、極めて不透明。そこにオミクロン株の急拡大が追い打ちだ。

「新型コロナウイルスの変異株である『オミクロン株』が米国でもカリフォルニア、コロラド、ミネソタ、ニューヨーク、ハワイの各州で感染が確認されるなど猛威を振るい始めていることも理由の一つだろう。家族にとって“安心安全な生活環境”を重視するならば、やはり住み慣れた日本に拠点を置くことが今の田中には何よりもベストな選択だ」(同スカウト)

 リーグ3位、CSファーストステージ敗退で今季終了となった直後の11月9日に自身のツイッターで「悔しい! 俺は悔しいよ」とつぶやいていた田中将。その言葉通り、来季もクリムゾンレッドのユニホームで、リーグV、日本一奪回へ向け右腕を振る。

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