楽天・田中将大投手(33)の来季メジャー復帰が現実味を帯びてきた。チームは7日のCSファーストステージ第2戦(ZOZOマリン)でロッテに4―4で引き分け。これで1敗1分となり、第3戦に先発登板予定だった田中将は出番なくして、今シーズンの戦いが終了となった。そんな田中将は今オフ「古巣ヤンキースを含め、メジャー5~7球団による争奪戦となる」という。

 来季もクリムゾンレッドのユニホームに袖を通すのか。田中将の〝決断〟にMLBが熱い視線を注いでいる。

 楽天と田中将の契約は2年契約。しかし、田中将自身が今年1月の入団会見で「1年が終わった段階で球団とお話しする機会を設けてもらっている。どうなるか自分も分からないが、まだアメリカでやり残したことがあると思っている。ワールドチャンピオンのリングもまだ手にしていない」と今季終了後のオプトアウト条項が含まれていることを打ち明け、今オフのメジャー復帰も示唆していた。

 ただ、やはり気にかかるのは肝心の米球界から「お呼び」がかかるかどうかだろう。今季の成績だけをみれば、23試合に先発し、4勝9敗、防御率3・01。ヤンキース移籍を果たす前年の2013年シーズンに楽天で24勝0敗、防御率1・27という脅威的な数字を残したインパクトが強過ぎるため、物足りなさを指摘する声も少なくない。だがア・リーグの極東スカウトは「今オフに田中将が米国へUターンする決意を固めれば、古巣のヤンキースを筆頭として複数球団の間で争奪戦になる」と分析している。

 今季の田中将は「WHIP(投球回あたり与四球と被安打数の合計)」の項目が「1・03」で、山本由伸(オリックス)の「0・85」に次ぐリーグ2位だったが、これをMLB関係者は高く評価しているといい「たとえ勝てなくても、安定した内容を残していることはWHIP等の数値を見ても明らかだ。先発としての責務を果たしているところは素晴らしい。加えて白星に結びつかない点は援護が得られないことも大きく関連している」と前出のスカウト。確かに規定投球回数をクリアした今季パの先発投手の中で、田中将の援護率「2・16」は群を抜いて低い。

 田中将の古巣ヤンキースは今オフ、ワンゲームプレーオフで敗退。昨オフに田中将との契約を見送ってレンジャーズから獲得した右腕クルーバーは期待外れに終わり、エースのコールも戦犯扱いされている。こうした背景からNYメディアは今も「ヤンキースは田中将を再獲得すべき」と指摘しているのが現状だ。前出のスカウトも「楽天での今季年俸9億円(推定)と〝同等評価〟は難しいかもしれないが」としながらも「ヤンキースは田中将にオファーを出すと思う。MLBで5~7球団は手を挙げるはず」と続けた。

 田中将と楽天側の話し合いの行方が注目される。