これぞ嵐魂だ――。中日・松葉貴大投手(31)が29日の巨人戦(バンテリン)に先発し、初回に丸の打球が首と顔付近を直撃するアクシデントに見舞われながらも「当たったときは痛くて動けなかったが、あんなところでマウンドを降りるわけにはいかない」。不屈の精神で5回4安打無失点の力投を見せて自身7年ぶりの4連勝を飾り、今季6勝目を手にした。

 打球が直撃しても強力G打線を相手に一歩もひるまなかった。「日本を代表する打者が並んでいるので外角一辺倒で抑えることは難しい。内角を臆せずどんどん攻めていった」と強気の投球で腕を振った。

 そんな松葉のモチベーションとなっているのは嵐の存在だ。マウンドや打席の登場曲に嵐の「GUTS!」や「感謝カンゲキ雨嵐」を流すなど大ファンで「(移籍前の)オリックスのころからずっと使っているし、学生のときから好きだった」と筋金入り。推しメンについて「誰か特別ということではない」と言いつつも「歌だったり、雰囲気だったり、すべてにおいて好きなので曲を使わさせてもらっている」と熱く語る。

 前日28日は嵐の櫻井翔と相葉雅紀がそろって結婚を発表。これが松葉にとって衝撃のビッグニュースとなったようで「(それまで)試合を見てましたけど、それ以上に携帯の速報が入ってきて、びっくりして『エーッ!』って一人でロッカーで叫んでいました」と笑顔で明かす。

 これで後半戦は7試合に登板し5勝1敗と先発陣を支える勝ち頭となっている。「自分が求めていること、チームから求められていることはしっかりゲームをつくること。勝ちがついていることは正直、ラッキーぐらいにしか思っていない」ときっぱり。今後も〝嵐魂〟を胸に秘め、勝ち星を量産していきそうだ。