メディアやOB、球界関係者が祝福の嵐 2000安打栗山の「区別」しない人間性

2021年09月13日 11時15分

2000安打達成後初ホームで笑顔を見せた栗山(東スポWeb)

【広瀬真徳 球界こぼれ話】西武の栗山巧外野手(38)が今月4日、ついに2000安打を成し遂げた。西武一筋20年という生え抜きの偉業は球団初の快挙である。

 西武が球団を挙げて金字塔を祝うのは言うまでもないが、各メディアが報じた栗山に対する祝辞や逸話の量には驚かされた。ざっと数えただけでも軽く100件は超えていたはず。しかもそのすべてが彼の努力や鍛錬、人柄を称賛するものだった。日ごろから手厳しい記事を書くメディアや媒体ですら、さまざまなエピソードを交えて彼の道のりをたたえていた。このメディアや球界関係者の祝賀ムードを見ただけでもいかに栗山が報道陣や球界関係者、OBから慕われているかが理解できる。

 ファンはともかく、なぜ栗山はここまで報道陣を含めた「身内」に愛されるのか。気さくな人柄もさることながら、最も大きな要因はどんな相手に対しても「同じ姿勢」で向き合うからだろう。

 栗山は一流選手でありながら対峙する相手を「区別」しない。例えば取材現場なら新人記者であろうがベテランであろうが常に対応は同じ。球場にめったに来場しない一見記者が取材を試みても、練習中や多忙な時間を除けば大抵の場合は立ち止まって取材に応じる。

 各メディアから同じ質問を繰り返されても嫌な顔一つしない。胸中に怒りや葛藤はあるのかもしれないが、それを取材者や他人には絶対に見せない。報道陣はそうした普段の気遣い、心遣いを見ているからこそ栗山の偉業には惜しみない賛辞を贈りたくなるのである。

 新型コロナの感染拡大が始まる前の2020年。宮崎・南郷キャンプで本人に2000安打についての意気込みを聞いたことがある。当時はまだ偉業まで残り150本以上の時期。同年の達成はほぼ不可能な状況だった。普通なら「頑張ります」のひと言で終わってもいいが、栗山は違った。

「やっぱり気にかけてもらえるのはうれしいですよ。まだ先のことですけど興味を持ってくれるのはありがたいことですからね」

 それから20分近く、近況を含めた野球談議が始まった。野球への取り組みや家族の支え、さらには自身を育てあげてくれた指導者への思い。余すところなく誠実に語ったうえで笑みを浮かべながら「うまく書いといてくださいね。足りなかったらまた話しますから」

 コロナ禍が続く現状では本人と対面で話す機会は限られるが、野球界だけでなく一般社会でも手本になる人間性を持つ栗山。今後も変わらぬ姿勢と努力で1本でも多く安打を積み重ねてもらいたい。

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