後半戦二軍スタートで、もがき苦しむ中日・根尾昂内野手(21)に対し、仁村徹二軍監督(59)が〝会話〟の必要性を説いた。

 今季の根尾は3年目にして初めて開幕一軍入りも67試合に出場し打率1割6分9厘と結果を残せず、7月30日からファームへ。しかし、それ以降も26日現在、二軍戦では43打数6安打で打率1割4分と打撃不振に陥ったままだ。

 その要因の一つに根尾が自身の理想のスイングを追い求めすぎているという。仁村監督は「打撃には〝これ〟というものはない。彼はこうじゃないと打てないなと(思い込んでいるところがある)。すごく頭のいい子だから、こっちにボールが来たらこう、と、すべてにおいて形を全部(つくろうとしている)。そうじゃない。まずは一つのスイングで全部こなすようにならないと」と指摘する。

 さらに「まだ自分のスイングをしておけば、ちゃんとタイミングが合って当たるという段階ではない。まずは相手投手に合わす。自分の間合いが取れて相手にいつでもタイミングが合うようになれば、自分のスイングをすればいいけど、そうなるにはまだまだかかる」とみている。

 その上で根尾の今年のテーマに〝会話〟を挙げる。「もっと人と話す。人の気持ちを分かる。そうしないと、投手に間合いが合わない。投手は(タイミングを)外そうと、打たさんぞと思って投げているわけだから。常に自分のことだけをちゃんとやっとけば、になっているが、それは五輪の金メダリストや大谷翔平、イチローが考えるようなこと。そのレベルとはだいぶかけ離れているから、自分の考えと立ち位置をはっきりさせないとダメ。そんなレベルではない」とあえて厳しい言葉を並べる。

 それでも仁村監督は今季中の根尾の再昇格をにらむ。「ちょっと何か(きっかけが)あれば、ゴーンと上へ行くから。みなさんがあまりにも楽しみにしているので、ちょっとでも早く、シーズンの終盤までには何とか戦えるようにしたい」と打撃開眼への期待を込めながら育成するつもりだ。