楽天・田中将大投手(32)が5日の広島戦(マツダ)で6回8安打3失点。勝ち負けはつかなかったが、苦しみながら粘った投球が7―3とチームの4連勝につながった。

 これで5試合、自身の勝ち星には見放されているが、この日はチームの勝利をことさらに喜んだ。

 田中将は「今日のピッチングはよくなかった。何とか投げながらアジャストしたいなと思っていたんですが、それもパッとしない感じでした。とにかく今日のピッチングは苦しかった。苦しいピッチングでした。(ブルペンから)アレという感じでした」と頼るボールのなかった、この日の90球を振り返った。

 そんなコンディションにあっても6回を3失点にまとめ、結果、7、8回の打線の爆発につなげた。

「本当にいいプレーにも助けられましたし、いい当たりが(野手の)正面を突いたこともあった。よく3点で収まったなという投球だった。本当に今日は今年の中でも一番よくない感じ。その中でチームが(登板日に)ずっと勝てていなかったので、今日は勝てたことが一番うれしい」と安堵の表情を見せた。

 石井監督は田中将について「調子はそんなによくなかった。最初から最後までリズムに乗りかけて、またちょっとらしさがなかった。でも田中だけでなく周りの先発陣も勝つチャンスをくれる中での投球をしてくれている。だから野手も逆転してくれたと思うし、ずっとそういう中で投球してくれている。今日は最低限のところでは締めてくれたと思う」と評価。悪い状態の中でチームの勝ちを呼び込んだ苦悩の90球をたたえていた。