阪神は27日の中日戦(バンテリンドーム)に1―2で惜敗。昨季3勝9敗と苦手にしてきた同球場での今季初戦で何とか白星をもぎ取りたかったが、打線は大野雄―R・マルティネスの継投策に散発3安打と沈黙。矢野監督も「毎日毎日、思うように行くわけではない。(大野雄に対し)なかなかこっちにリズムを持っていくことができなかった」と潔く白旗を揚げた。

 唯一の見せ場をつくったのはナゴヤ初見参となる黄金ルーキー・佐藤輝明内野手(22)だった。2回二死走者なしから大野雄の135キロを捉え、右中間席中段へ先制の7号ソロを運んだ。3、4月での新人選手の7号到達はドラフト制導入後では2003年の村田修一(横浜)に並ぶNPB記録となった。

 佐藤輝は14日の広島戦(甲子園)で昨季の新人王・森下のカーブを仕留めて中越えに本拠地初アーチを放り込んだ。この日も昨季の沢村賞&最優秀防御率左腕・大野雄からの一発。セ・リーグのタイトルホルダーたちを豪快に打ち砕く背番号8の勇姿には、井上ヘッドも「前回も森下を打ったり、大野雄を打ったりとか星を持っているよね」と称賛した。

 となれば、次なるターゲットは昨季のリーグMVPで最多勝&勝率1位に輝いた巨人の絶対エース・菅野だろう。将来を嘱望される規格外ルーキーが「エースキラー」を襲名するのも時間の問題かもしれない。