G史上最強監督からバトンを受け取るのは――。リーグ3連覇と日本一奪回を目指す巨人・原辰徳監督(62)が、今季で3年契約最終年を迎える。次期監督候補となるのは、果たして誰なのか。阿部慎之助二軍監督(41)なのか、電撃入閣した桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)なのか、はたまた別の人物か…。本紙の単独インタビューに応じた指揮官からは意外な名前も飛び出した。 

 ――キャンプで一番の収穫は

 原監督 昨年よりも今年、あるいは1年後、2年後、いろいろ期待できる選手たちがジャイアンツの一員になったなあと。それぞれが個性を持った、しっかりとお店、株式会社が持てるような、そういう選手がスタートしたなあと思いますね。コーチも一体となり、いろいろ情報交換している時でも(選手の)話題が豊富であるというところにも、そう感じますね。

 ――キャンプでは桑田コーチも新風を吹き込んだ

 原監督 私自身も(昔を)思い出させてくれた。非常にピュアで新鮮にユニホームを着てコーチという立場でやっている。私自身もそういう気持ちを改めて持つ必要があるなと。桑田真澄の姿を見ていてそう感じました。野球への情熱、あるいは野球を愛している。そういうことは非常に重要なことなんだなと。中には仕事、プロとしてというのはあるかもしれないけど、それよりも尊いものが情熱であることを感じますね。

 ――シーズン中はベンチ入りするのか

 原監督 そのへんは彼のスケジュールも含めてシーズン中も仕事がある可能性もあるので、そのへんは状況をみてということになると思いますね。しかし、ベンチに入ってチームを動かすというのが自然な形だと思っています。ファンもそれを望んでいると思います。

 ――監督は就任当初から「つなぐことも重要な役割だ」と。桑田コーチもその一人なのかと

 原監督 まったくその通りですね。OBの中でも興味のある、非常に素晴らしい野球人であるというふうに思いました。中にはそう思っていても、情熱が欠けている人もいるし、違う人もいるでしょうけど。

 ――阿部二軍監督についても「リーダーになる人」だと。今季は一軍に置く選択肢もあったと思うが、あえて二軍監督で続投させた狙いは

 原監督 1年目というのは、なかなかやっぱりプランニングというのは難しいですよ。簡単に言うと、その時に来たものを打破し、超えていく。2年目になると予測が立つことが多くなる、準備も計画性も生まれる。ですから、やっぱり2年目というのは、さらに高い経験、勉強ができるということでしょうね。

 ――失礼ながら、契約上では今季が節目。単刀直入にうかがいますが、次にバトンを渡したい人はいますか

 原監督 それは言えないねえ、えっへっへ。それはちょっと僕が決めることではないだろうしね。そこはやっぱり選ばれた人がなりますよ。それ(を決めるの)はジャイアンツの歴史であり、ファンであり、当然メディアでもある。さまざまな角度から選ばれた人というのは出てくると思いますね。

 ――早くも阿部二軍監督や桑田コーチの名前も取りざたされています

 原監督 それはもう僕が決めることではないですよ、本当に。そこはね。ただ、そういう可能性を持った人たちがたくさんチームの一員であるということは、とてもいいことだと思います。これは、その2人だけではなくて、ウチの(元木大介)ヘッドコーチもそうでしょうし、長老的な宮本(和知投手チーフコーチ)、吉村(禎章作戦コーチ)だってそうでしょうし。

 ――最後にうかがいます。巨人軍監督に絶対に必要な資質とは

 原監督 やっぱり野球を知るということですよ。やっぱり野球を知っておくということがまずは大事だと思います。その後に指導法であるとか、あるいはモチベーションの上げ方であるとか、チームワークをつくるためには…とか、いろんなことができるかもしれないけど、まずは野球をよく理解し、よく知るということだと思います。