〝3度目の新型コロナショック〟は、どんな影響をもたらすのか――。阪神では6日に岩田稔投手(37)と球団職員1人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。チームの浮沈の鍵を握る外国人助っ人たちも、政府による就労ビザ発給停止の影響から来日の見通しが立っていない。

 そんな中、2月1日から始まる春季キャンプに向けて着々と準備を進めているのが藤浪晋太郎投手(26)だ。8日に甲子園球場での自主トレ終了後にリモート形式で取材に応じ「結果を出さないと先発ローテには入れない。『これだったら藤浪を使いたいな』と首脳陣に思ってもらえるようなアピールをしたい」と意気込みを語った。

 緊急事態宣言下にある首都圏ばかりでなく、関西でも大阪、兵庫を中心に新型コロナの新規陽性者が増加している。プロ野球選手とて例外ではなく、藤浪も「(自主トレなども)動きにくく調整もしにくいですが、感染しないよう最大限注意しながら生活しています」と細心の注意を払っているという。

 昨年3月、新型コロナに罹患した藤浪は感染経緯を巡りバッシングを受け、開幕にも出遅れた。先発として約1か月遅れで戦列復帰したが、いきなり4連敗。8月21日のヤクルト戦(神宮)で692日ぶりの白星を挙げるも1勝5敗、防御率5・87の成績で9月14日に二軍落ちを通告された。

 だが、同月下旬に新型コロナ禍で10選手が離脱する事態に、藤浪は再び一軍のマウンドに呼び戻された。応急処置的に配置された中継ぎで結果を残し、復活への足掛かりをつかんだ。

 藤浪と開幕ローテの座を争う新外国人ラウル・アルカンタラ投手(28=前韓国斗山)の来日もいつになるか分からない。新型コロナ禍に振り回された背番号19は虎視眈々と牙を磨いている。