リーグ3連覇を支えた元守護神の来季は…。広島・中崎翔太投手(28)は右ヒザの手術明けだった今季、開幕こそ一軍だったものの、登板6試合で防御率9・00に終わり、9月には右後上腕回旋動脈瘤切除術を受けた。現在はブルペン投球も再開して「このまま終わってしまうわけにはいかない」と復権を期しているが、どんな形での起用がベストかと注目を集めている。

 今季の広島はシーズン序盤の〝守護神不在〟が致命傷となった。「やっぱり中崎はすごいんだと痛感させられた。ピンチを招いても最終的にはリードを保ってチームを勝利に導く。それがどれだけすごいことなのか…。若手が出てきているといっても、それをできるのは中崎しかいない」(球団関係者)と抑えとして復活することを望む声は多い。

 その一方で「手術明けの体のことを考えると、連投があるリリーフではなく、一定の登板間隔を空けて投げられる先発の方がいい。中日の福谷など最近はリリーフからの先発転向で結果を出す選手もいる」(チームスタッフ)との考えから〝モデルチェンジ〟を勧める向きもある。実際、佐々岡真司監督(53)は抑えから先発に回って復活した成功者の一人。現役後半に差し掛かった1999年に先発再転向するとノーヒットノーランを含む15勝8敗、13完投で完全復活を印象づけた。

 中崎はプロ通算115セーブを誇るが、まだ老け込むには早い。プロ意識も高く「行けと言われたところで行くだけ。自分で決めることではない」と言う。どんな形で復活するにせよ、V奪回に欠かせない戦力なのは確かだ。