元阪神の〝無敗男〟桟原将司氏は経営でも「ど真ん中でも抑えたる」

2020年09月22日 14時00分

とり焼きを調理する桟原将司氏

【コロナ危機を乗り越える プロ野球界にまつわる飲食店の現状】現役時代の投球スタイルと変わらない。経営者となっても明るく豪快だ。阪神元投手・桟原将司さん(38)は大阪・北新地で「とり焼き さじ」を、コロナ禍でも負けることなく営業を継続している。

 コロナの影響は甚大だった。「4月は売り上げが9割減。正直、ヤバイなとは思いました。でも、助けてくれる人もゼロではなかった」と振り返る。現在は徐々に客足も戻ってきているが、不安がないわけはない。

 ただ、明るく前向きに。その姿勢を崩さない。現役時代は150キロを超える剛腕を誇った。一方で「最悪の事態を考えるとストライクが入らなくなる」と制球に苦しんだ。そんな時には「ど真ん中でも抑えたる」と思い切り腕を振った。目の前の状況から逃げない。それは経営者になっても変わっていない。

 2003年、鳥谷敬内野手(39=現ロッテ)と同期入団。祖父の弟が昭和を代表するコメディアン、ハナ肇さんであることを明かし、周囲の笑いを誘った。1年目からリリーフで活躍し05年のリーグ優勝にも貢献した。

 当時のウィリアムス、藤川、久保田の「JFK」はレジェンド。その裏と言っては失礼だが、桟原、橋本、江草の「SHE」も僅差を持ちこたえ、幾度も逆転勝利を生んだ。熱心な虎党の記憶には、その雄姿が残っているはずだ。09年、デビュー以来116試合連続無敗という当時の日本記録を樹立した事実は桟原さんの「持ってる男」ぶりを示している。

「15年前のジェフや球児さん、久保田さんたちの重圧とは比べられないけど、いい場面でも投げさせてもらいました。当時からお世話になった方々も多く、今でも気にかけてもらってます」

 現在、球団関係者は外出もままならない状況だが、OBや元同僚、虎党、常連顧客に守られ営業を継続中。通常の焼き鳥とは違い、焼き肉のように自分のペースで焼いて食べる「とり焼き」のスタイルも定着している。

「家族もいる立場になりましたしね。いろいろ考えるよりもまず動きます」。ピンチはチャンス。この苦境でも桟原さんは明るく思い切りよく、経営手腕を振っていくつもりだ。

(楊枝秀基)

関連タグ: