巨人の「19」が上々の本拠地デビュー 〝剛腕〟田中豊の台頭でかすむ澤村の存在感

2020年07月30日 06時15分

1イニング無失点で本拠地デビューを飾った田中豊樹

 敗戦の中でもキラリと光った。昨オフに日本ハムを戦力外となり、新天地の巨人で支配下登録を勝ち取ったばかりの田中豊樹投手(26)だ。〝本拠地デビュー〟となった29日のDeNA戦(東京ドーム)では真新しい背番号19のユニホームで7回から登板。1イニングを打者3人で片付けた。チームは2―3で敗れたが、2戦連続のパーフェクト救援。上々のスタートを切った苦労人右腕は二軍で再起を期す「あの剛腕」の命運も握っている。

 追い上げもあと一歩及ばなかった。先発の戸郷が5回までに2被弾で3点を失い、打線の反撃は丸とウィーラーのソロだけ。原監督は「(あと)1点でしたね」と淡々と総括した。

 そんな中、新天地で第二の人生を踏み出したのが田中豊だった。昨オフに日本ハムから戦力外となり、育成選手として巨人入り。26日に支配下登録され、同日のヤクルト戦(神宮)で無失点デビューを飾った。ただ、その日は新ユニホームが間に合わず、背番号018のままで登板。そしてこの日、晴れて背番号19をまとって東京ドームの7回のマウンドに立った。

 結果はロペス、宮崎、柴田の打者3人を11球で料理。指揮官も「我々はファームの試合しか見ていない。まさに私たちが見ている田中豊樹の投球を上(一軍)でもしてくれている」と賛辞を惜しまなかった。

 この田中豊にかかる期待の大きさは計り知れない。原監督や宮本投手チーフコーチだけでなく、フロント陣の〝総意〟として、菅野やOBの上原浩治氏がつけた「エース番号」をあてがわれた。今後の活躍次第でその立場が大いに脅かされるのが、澤村拓一投手(32)だという。

 首脳陣の信頼を失った澤村は、田中豊の昇格と同時に二軍へ降格。球団関係者が真っ先に田中豊の引き合いに出したのは「澤村」の名前で「これで奮起してもらわないと困るよ」とバッサリだった。

 両者はタイプ的にも〝丸かぶり〟状態にある。田中豊は150キロ台後半の直球を投じる澤村に及ばないが、この日は最速152キロを計測。180センチ、98キロの堂々たる体格も澤村に引けを取らず、役割もパワー系のリリーフ右腕だ。経験や実績では澤村に劣るが、田中豊の強みは「制球力」を持ち合わせている点。二軍戦では4試合にまたがって8者連続三振もマークした。9イニングに換算すると奪三振率は驚異の「15・3」に上る。支配下登録の決め手となったのも、この安定感だった。

 原監督は「五分の力なら若い選手を使う。ベテランには厳しい」を身上とする。期待大の新戦力がこのまま台頭していけば、背番号15はいよいよ土俵際に追い込まれそうだ。