新型コロナウイルス感染が判明した阪神・藤浪晋太郎投手(25)だが、他球団からは非難どころか“男気”に対し、絶賛の声が上がっている。

 あるセ球団の関係者は「自分から体調不良を申し出るのは相当な勇気が必要だったと思う。野球界にどんなハレーションが起きるかは分かっていたはず。それでも正直に球団に言ったわけだから、藤浪選手は素晴らしいよ」と賛辞を贈る。

 また、藤浪の自己申告により、今後の日本球界に新たな動きが出るとの見方もある。別のチーム関係者は「どの球団もそうだと思うけど、自分のチームから“コロナ1号”を絶対に出したくない。選手だけでも1000人ぐらいいるのに、感染者が一人もいないということは考えづらい。体調不良を抱えていても黙っている人間がいるはず。藤浪選手のおかげで、そうした人間が名乗り出る可能性はあるでしょうね」と語る。在京球団スタッフも「言ってみれば、どこの球団から出るか“チキンレース”をやっているフシもある。自分から切り出す環境と前例ができたわけだから、そういうこともあると思う」と同調した。

 さらに他球団のある若手選手からは藤浪への感謝の声も聞こえてきた。「自分だったら周囲の目を気にして、もしかしたら申告をためらってしまうかもしれないですし、とても勇気のある行動だと思いました」と脱帽。さらに「今はちょっとした体調不良もお互いに疑心暗鬼になってしまう状態じゃないですか。藤浪さんクラスの選手が検査を受けたことで、今後自分たちのような若手選手が発症した際もためらわずに検査を受けられるようになると思うんですよ。だから今回のアクションはとても価値のあるものだと思います」と続けた。

 とにかく、阪神は1週間の活動停止を決め、二軍の練習試合も中止。チームメートだけでなく相手球団にも多大な影響を及ぼしており、藤浪の状況を公表した球団の今後にも注目が集まっている。

「阪神球団は遠征時の外出を制限しなかった。こういう事態になれば、ベストな対策を取ったのか?と言われても仕方がない。だけど、ウチだって人ごとではいられない。どんなに対策しても感染する時は感染してしまうと思うし…」(球界関係者)

 球界に衝撃を与えた“藤浪ショック”。他球団も「明日は我が身」の精神で推移を見守っている。