去就問題で揺れるオリックス・T―岡田外野手(31)に球団側がしびれを切らしている。25日、大阪・舞洲の球団施設でT―岡田と福良GMの話し合いが行われたが、交渉は“決裂”。T―岡田は「まだ何も決まっていない。気持ちは日に日に変わっているけど…。決まったらまた言います」と顔を紅潮させて険しい表情を見せた。

 出場機会を求めて他球団移籍も視野に入れ、同時にオフのプエルトリコのウインターリーグ参加を保留。すでに受け入れ先球団のアテニエンセス・デ・マナティのホームページに若手の鈴木、漆原とともに参加選手として発表されているが、このままではT―岡田だけキャンセルとなる可能性もあり、フロント関係者は「早く返事をくれないと向こうに迷惑がかかる。ウチに残る決意を早くしてほしい」とこぼす。

 今季は19試合で1本塁打、2打点、打率1割2分2厘。5月17日に抹消され、以降はギックリ腰に苦しんで二軍戦でも結果を残せなかった。チーム若返りの現状も重なって移籍を模索するT―岡田に、現場からも「Tを大事にしろ」と同情論が上がる中、球団関係者は「出場機会が少ないといっても自分が結果を残せていないから。調子を上げてくれば安達のように上がってこれた。FAを使っても手を挙げてくれるところがあるのかどうか。ウチだって十分、彼には愛情を持って接してきている」と手厳しい。

 福良GMは「あいつが答えを出すまで待つ。(ウインターリーグに)行かないとなると向こうに謝らないといけない。Tも悩んでいるが、行く行かないよりウチとどうするかが先。他球団に行っても実力で(出番を)奪わないといけないのがこの世界。それはあいつもわかっているし、金額のことでもない。残ってほしいけど、あいつの中で引っかかる部分があるようだ」と言うが…。長年、チームを支えた大砲が窮地に立たされている。