阪神 近本にドラ1失敗列伝を伝授

2019年04月26日 16時30分

大はしゃぎで近本を迎える矢野監督(中)

 阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)が絶好調モードに突入している。敗色濃厚だった25日のDeNA戦(横浜)で9回二死、守護神・山崎から左翼席に今季第4号の逆転3ラン。この日は自身7試合連続安打となる3打数3安打2四球3打点の活躍で、今季初のチーム3連勝&最下位脱出に貢献した。

「大きいのを狙わずにしっかり叩く気持ちで(打席に)入れた。本当に良かったです」と満面の笑みだった近本に、矢野監督は「すごくうれしい! ホームランは想像してなかった。(対戦相手が)ふた回り目に入って、しっかりと対応力を見せてくれている」と最敬礼だ。

 ドラフトは外れ外れ1位での指名。球界の評価も脚力以外は高くはなかったが、開幕からスタメンを勝ち取り23試合に出場、打率3割1分3厘、4本塁打、13打点、3盗塁(25日現在)と堂々たるもの。ここまで順調に来た裏にはフロント陣の“自虐的育成術”が奏功している。

「ウチは昔からドラフト1位の選手が大成しない。当時、どうしてうまくいかなかったのかの話を、何人か例を挙げて近本に伝えてある。大概がキャンプの時期から焦って故障し、ダメになるケースが多いので気をつけるように言い続けた。状況を見て『今はアピールする時期ではない』とかね」(球団幹部)

 いわば「虎のドラ1失敗列伝」。本来は成功例を指南したいところだが、あえて失敗例を主にしたところがミソ。もともとが読書家で賢い近本だけに理解するのも早かったのだろう。当の本人も「僕はもともと1位で選ばれるような選手じゃない。4、5位か下位で指名される選手ですよ。いつまでもうまくはいかないと思ってるんですが、今、心掛けているのは常に周囲に惑わされず“どっしり”した態度でいること。焦らずに頑張っていきたい」と応えている。

 再建を目指すチームにとって今や欠かせない存在になった近本。この男が阪神を面白くさせてくれそうだ。