【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】「ただひたすら自分の呼吸だけに集中する。シンプルなようで、自分にはとても難しいこと…」
マウンドに立った時の理想のフィーリングを「ヨガクラスの最後に横になって呼吸のメディテーションをする感じ」と例えたのは、エンゼルスのパトリック・サンドバルだった。
つまり、ヨガの中でも下手すると寝落ちしかねないまでにリラックスしたあの感じで、ストライクを取っていたのか…などとまったく分からない瞑想ならぬ妄想をしてしまったが、スタジアムから30分ほどのミッション・ヴィエホで育った彼にとって、エンゼルスは幼いころから家族で通い、慣れ親しんだ球団。パトリックが先発登板する日には、両親は必ず友人や元コーチたちもスタンドで応援していることが多いそうで「見知った顔があると落ち着く。居心地がいい」と言うから、逆に見られているプレッシャーはないのかと聞いた時に、ヨガの話になった。
「以前はよく、エモーションにのみ込まれたり、2球前に投げた球が頭から離れなくて、投球の邪魔をしたりしていたんだよね」。チームで人一倍ウエルカムで、人と話す余裕や優雅さを感じるパトリックからは意外な感じがしたが、呼吸法を練習することで、その居心地の悪さをコントロールできるようになってきたという。
「2017年、アストロズのマイナーリーグ時代にメンタル・スキル・コーチがビジュアライゼーション(イメージすること)や呼吸に集中すること、そもそもの呼吸の仕方なんかを教えてくれたんだ。これが結構難しくて、何度も何度もやらないと習得できないし、時間がかかる」
当時住んでいた家の隣がヨガスタジオだったこともあり、呼吸トレーニングの一環として通い始めた。
「オフは毎晩、歩いてヨガ行って、シャワー浴びて寝るっていうルーティンを続けたんだ。今は毎日は行かなくなってしまったけど、ヨガは続けているよ。試行錯誤して、何年もかかったけど、最近ようやくマウンド上でなんとなく居心地良く過ごす呼吸ができるようになってきた気がする」
ちなみにそのマウンド上での呼吸は「自分」「打者」「キャッチャー」の3つだけをフォーカスさせてくれ、走者も、観客も、いかなるノイズも聞こえなくなった瞬間に自分の球を投げるのだそうだ。
「今を感じられるようになったって言うのかな。目の前の打者をアウトにすること以外考えなくなったよ。大リーグでは、近年ほとんどの球団がメンタル面でのトレーニングを取り入れているんじゃないかな。大リーグにおいてマインドこそが最も大事だと僕は思う」
当コラムも、瞑想をしてから書き始めたらもっと面白い話が書けるかもしれない。次回から…。
☆パトリック・サンドバル 1996年10月18日生まれ。25歳。米カリフォルニア州出身。左投げ左打ちの投手。191センチ、86キロ。2015年のMLBドラフト11巡目(全体319位)でアストロズから指名され、プロ入り。18年にエンゼルスへ移籍し、19年にメジャーデビュー。同年10試合に登板し、うち9試合に先発(0勝4敗)。20年に初勝利をマーク(同年1勝5敗)すると、21年は14試合に先発して3勝6敗1セーブ。今季も左のローテーション投手としてチームを支えている。












