MLB(米大リーグ)は2日(日本時間3日)、4月の各賞を発表し、ナ・リーグの月間最優秀新人にカブスの鈴木誠也外野手(27)が選ばれた。日本人選手としては2018年9月に受賞したエンゼルス・大谷翔平以来7人目の快挙で、4月の受賞も同年の大谷以来となった。

 4月18日(同19日)には開幕2週目で18年のエンゼルス・大谷に並ぶ日本人最速タイとなる週間MVPも初受賞している。スーパールーキーには米メディアや各方面からも賛辞が飛び交っており、再び上昇気流に乗りたいところだ。

 最高のスタートダッシュを切った。広島から移籍した鈴木は4月7日(同8日)の開幕以降、打率2割7分9厘で4本塁打、14打点、13得点、14四球、OPS(出塁率+長打率)も.934の好成績をマーク。週間MVPやメジャー公式サイトによる4月のオールスターに選ばれ、MLBのナ・リーグ月間最優秀新人にも輝いた。

 各方面からの賞賛も鳴り止まない。カブスの公式ツイッターは同日、鈴木の最優秀新人受賞を受け「Congratulations to Seiya Suzuki on being named National League Rookie of the Month! 鈴木誠也選手ナショナル・リーグ月間新人賞獲得おめでとうございます!」とつづり、英語と日本語で祝福メッセージを投稿。

 また駐日米国大使でシカゴ出身のラーム・エマニュエル氏もツイッター上に「鈴木誠也選手、今日は電話でお話しができ光栄でした! ナショナルリーグの月間最優秀新人への選出おめでとうございます。カブス対ホワイトソックスのシカゴ対決でのご活躍も期待しています」などと日本語でしたため、栄誉を称えた。

 しかしながら、直近7試合の鈴木は打率1割3分9厘、0本塁打、2打点、出塁率1割6分7厘、長打率2割4分1厘と苦しんでいる。

 下降気味のタイミングで受賞したこともあり、米イリノイ州地元局「NBCスポーツ・シカゴ」のゴードン・ウィッテンマイヤー記者は配信した同局電子版記事の中で「セイヤ・スズキが月末のスランプにもかかわらずナ・リーグの月間最優秀新人賞を受賞した」とやや皮肉まじりでリポート。ただ、デビッド・ロス監督がスランプの鈴木に関して「彼はうまくいく。ハードワーカーであり、本当に良い競争者でもある彼は成功を続ける方法を必ずや見つけるだろう」と前向きにコメントしたことも掲載している。

 2日(1日)のブルワーズ戦で鈴木は「2番・右翼」で先発出場し、6回に昨季サイ・ヤング賞の右腕コービン・バーンズから三塁線を破る適時二塁打を放ち、17打席ぶりに快音を響かせた。インパクトを残した4月については「できすぎ」と謙虚に評し、現状の低迷打破につながりそうな久々の長打にも「まだ分からない。早くいい内容に持っていけるようにやりたい」と述べ、自分に言い聞かせるように気を引き締めている。

 ナ・リーグ月間最優秀新人の栄光を手にし、大旋風を巻き起こした開幕直後の勢いを取り戻したい。