米大リーグ機構(MLB)と選手会が交渉を続けていた新労使協定が失効期限の1日午後11時59分(日本時間2日午後1時59分)までもまとまらずに失効した。MLBオーナー陣は施設を閉鎖するロックアウトに踏み切った。

 オーナー陣によるロックアウトは1990年以来、31年ぶり。労使の争いでMLBの全業務が止まるのは94~95年以来、26年ぶりだ。ストライキでワールドシリーズが中止され、翌年は1か月近く遅れての開幕となりシーズンも短縮された。

 MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者は失効直前に自身のツイッターで「MLBのオーナー陣は全会一致でロックアウトを決めた。ロックアウトは明日から行われるが時間は決まっていない」と伝えていた。米スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサン記者によれば、1日に行われたMLBと選手会側の最終交渉はわずか7分で終了した。

 ロックアウトとなった場合、球団施設が封鎖され契約交渉も凍結される。そのため、広島からポスティングシステムのでメジャー移籍を目指している鈴木誠也外野手(27)やFAになった菊池雄星投手(30)らへの影響は避けられない。

 全米野球記者協会(BBWAA)は11月30日(同1日)に一斉メールを会員に送信。「ロックアウトになれば40人ロースター枠の選手について球団関係者らは一切話せなくなるため、今夜か明日中に連絡を取るように」と通達した。

 オレンジカウンティー・レジスター紙が入手した選手会が選手らに配布したガイドラインによれば「ロックアウトになった場合、選手らのサービスタイムや給料は再開するまで凍結。しかし、ケガなどで活動休止中の選手で条件に見合う者は、引き続き給料が支払われる」という。また、2022年の開幕前までに合意に至らずロックアウトが続く場合には、選手会が40人ロースター枠の選手に対し健康保険のサポートを続けるなど、36ページに渡り細かい条件が説明されている。

 米メディアによると、選手会側はFAまでの期間を6年から5年へ、年俸調停を3年から2年にそれぞれ短縮することを求め、球団間の収益分配の大幅な変更を求めているが、MLB側は拒んでおり、隔たりは大きいという。