エンゼルスの大谷翔平投手(27)は26日(日本時間27日)、敵地ボルティモアでのオリオールズ戦に「1番・DH」で出場して初回に7試合ぶりの一発を放ち、メジャー単独トップの本塁打数を41に伸ばした。今季3本目の先頭打者弾で、二刀流の元祖、ベーブ・ルース生誕の地・ボルティモアではメジャー4年目にして待望の初アーチ。先発登板から“中半日”での豪快弾には、天国のルースも度肝を抜かれているに違いない。

 ルース生誕の地で待望の一撃だ。初回の第1打席。相手先発左腕・アキンが投じた外角へのカーブを完璧に捉えた。滞空時間の長い打球は右翼スタンドへ吸い込まれた。今季3本目の先頭打者弾は7試合ぶりの一発となった。打球速度110・7マイル(約178キロ)、飛距離は374フィート(約114メートル)。本塁打王争いでリーグ2位のゲレロ(ブルージェイズ)に5本差をつけた。

 右翼スタンド後方に巨大な赤レンガの建物が立つモダンなボールパークの先駆けとなったオリオールパーク・アット・カムデンヤーズで放った初の本塁打となり、地元メディアNBCスポーツ・ワシントンのウェブサイトは「これで大谷はアメリカン・リーグの全ての球場で本塁打を打ったことになる」と通算88本目の本塁打をたたえた。厳密には大谷は昨年開場したレンジャーズの新球場グローブライフ・フィールドでまだアーチをかけていない。それでも9月28日(同29日)から同球場でレンジャーズとの3連戦が予定されているため、公式戦終盤でア・リーグ球場完全制覇が実現する可能性は十分ある。

 一方、大谷が本塁打を放ったことがあるナショナル・リーグの球場はパドレスの本拠地ぺトコ・パークでの1本のみ。ナ・リーグの球場では指名打者制がないため、打席に立つ機会があるとすれば基本的には登板機会があって指名打者を解除するか、代打での1打席となるため、大リーグ全球場で本塁打を放つことは簡単ではないが、大谷に不可能はない。

 前日は投打同時出場し、投手として5回を5安打4失点。9勝目の権利を持って降板したが、救援陣が2点リードを守ることができず勝ち星はつかず、打者では4打数無安打3三振だった。そのナイターからデーゲームの“中半日”。チームは16日(同17日)から5都市を回る長期遠征の最中で疲れがあって当然だが、大谷は何食わぬ表情で打席に立ち、クールにアーチを描いてみせた。前日はオリオールズの先頭打者に被弾しており、痛快な“先頭打者弾返し”となった。

 第2打席は四球、第3打席は中飛に倒れたが、これが今季502打席目で日米プロ9年目にして初の規定打席に到達。二刀流の歴史に新たなページを刻んだ。

 第4打席は四球を選んだが、チームは1―13で大敗。大谷は2打数1安打2四球、1本塁打、1打点だった。打率2割6分9厘で打点は89となり、97打点でトップのアブレイユ(ホワイトソックス)との差を8とした。

 ルース生誕の地でも快音を響かせた大谷は本塁打王はもちろん、打点王の2冠獲得に向けノンストップで突き進む。