エンゼルスの大谷翔平投手(26)の100年ぶりの快挙から一夜明けた27日(日本時間28日)の地元メディアは大興奮だ。26日(同27日)に敵地テキサス州アーリントンでのレンジャーズ戦に「2番・投手」のリアル二刀流で先発した大谷は、5回を3安打4失点、5連続を含む9三振3四死球で2018年5月20日のレイズ戦以来となる1072日ぶりとなる今季初勝利をマークした。打っては2点適時二塁打を含む3打数2安打2打点3得点。本塁打メジャートップの選手が先発登板するのは1921年6月13日のヤンキースのベーブ・ルース以来だった。

 オレンジカウンティー・レジスター紙(電子版)は「大谷にとって、転機となる試合かもしれない。前半のミスを修正し、勝利投手になれるほど効果的に投げ、自分だけでなくチームメートらに自信を与える能力は、もはや励み以上に比類なきものだ」と称賛。

 CNN(電子版)は「2つの脅威を持つ新たなダイヤモンドの夜明け」、AP通信は「1世紀前のベーブ・ルース以来、見たことのないとんでもない大リーグの二刀流ショー」と大絶賛した。

 大谷を長年取材しているロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス氏は大谷の恩師、花巻東高の佐々木洋監督から聞いたエピソードを紹介。二刀流の運動能力の高さにあらためて驚く。「『トレーニングの一環で水泳をやらせているが、大谷が特に泳ぐのが速い。水泳部のコーチがオリンピックも目指せると言っていた』と佐々木監督から聞いた時、僕は丁寧に笑って、以前の特集にその話は書かなかったんだ。でも、言及すべきだった。佐々木監督は恐らく本気だった。大谷は本当になんでもできる。バントでさえも」

 また、マドン監督が大谷の意思を尊重していることが好影響をもたらしていると評価。「打撃の成績が格段に上がっただけでなく、彼の個性も表に出るようになってきた。前回のホームランでは空を指さし、彼から三振を奪った相手ピッチャーをにらみつけていた」とプレー以外の新たな一面にファンやチームだけでなく、大谷自身も驚いているのではないかと締めくくった。二刀流はどこまで進化するのか楽しみだ。