第104回全国高校野球選手権大会第3日(8日、甲子園)第4試合に登場した興南(沖縄)は、市船橋(千葉)に5―6でサヨナラ負けを喫した。最後は9回一死満塁から押し出しの死球で決着。序盤のリードを守り切れず、初戦突破はかなわなかった。

 先発の生盛(3年)が自己最速148キロを叩きだすなど上々の立ち上がりでゲームメーク。打線も3回に中軸の3者連続適時打などで5点を奪って流れを引き寄せたように見えた。だが、4回から生盛の持ち味である速球が捉えられ始める。ジワジワと迫られ、5―3で迎えた8回に相手4番・片野(3年)にソロを被弾。二死までこぎつけるも、連打で痛恨の同点打を献上して振り出しに戻された。

 興南にとって悲劇的な幕切れとなったのは9回だ。生盛が先頭打者を出すと、我喜屋監督は右翼を守っていた安座間(3年)にスイッチ。一死から満塁策などで塁を埋めると、最後は球場がざわめく押し出し死球で2番手右腕はヒザから崩れ落ちた。

 安間座は完全に抜けた球が右打者の背中付近に直撃したラストシーンを「アウトコースにスライダーを投げようとした」と説明。試合後の生盛とのキャッチボールでは「生盛から『俺のせいだから』と言われたので『ごめん』と返した」とあふれる涙を拭った。

 我喜屋監督は「選手は当然ミスもあったし、いいところで打ってくれたし、ベストを尽くして戦い抜いていることを私が一番よく知っている。胸を張って沖縄に帰ってもらいたい」とナインを気遣った。「令和初勝利」目前で残酷な結末。沖縄の名門は、この敗北を糧として再スタートを切る。