打てなくても評価を上げた。第94回選抜高校野球大会(甲子園)は23日に5日目を迎え、第1試合で花巻東(岩手)が市和歌山に4―5で初戦敗退。高校通算56本塁打で今大会注目の佐々木麟太郎内野手(2年)は、相手のエース右腕・米田天翼(3年)の前に2三振を含む4打数無安打に抑え込まれた。

 9回二死一塁から死球で出塁した最後の打席が唯一の見せ場に終わり、試合後は悔しさのあまり号泣。「ふがいない結果でチームの得点に貢献できず、自分の責任をすごく感じている」と話し、その後は「(実父の佐々木)監督にも、入学してから先輩である大谷翔平選手(エンゼルス)と比べて『何もない』『早熟タイプ』とずっと言われてきましたし、今でもセンスがないと思っている」とも続け、肩を落とした。

 それでもネット裏からの〝麟太郎評〟は不変のようだ。この日、スタンドから熱いまなざしを向けていたパ・リーグ球団の編成担当者は「今日の結果は関係ない」とし「10年とか20年レベルの逸材だと思っている。天性のホームランバッターとしてワクワクさせられるのは清宮(日本ハム)君以来。単純にすごい」。オフに両肩を手術したばかりでリハビリ明けから間もなく、まだ実戦感覚を十分に養えていないこともデータとして把握しているという。

 一方、MLB関係者は「今日の空振りで逆に引きつけられた」。ア・リーグ球団の極東スカウトは「空振りだけで、うならせる高校生はまずいない。120キロ前後は軽く計測しそうなスイングスピードも脅威的だ。両肩の手術直後で万全ではない中でも、あのスイングができる。体もかなり柔らかく逆方向にもきっちり打てるし、伸びしろのかたまり。確かにまだ粗削りなところもあるが、2年生だから今後も成長していく」と太鼓判を押した。

 同スカウトによれば「育成方法さえ間違えなければ、佐々木のスイングは今後数年内にプリンス・フィルダーのレベルにまで達する可能性がある」と、MLB通算319本塁打を放ったスラッガーをほうふつさせるという。

 今後も佐々木は日米の球界から注目を集め続けそうだ。