【ズームアップ甲子園】気迫の投球が光った。第94回選抜高校野球大会(甲子園)は22日に第4日を迎え、第2試合で星稜(石川)が延長11回の激闘の末、5―4で天理(奈良)を下して初戦突破した。手に汗握る攻防の中、存在感を見せつけたのは最速141キロの右腕マーガード真偉輝キアン投手(3年)だ。
強豪相手に7回0/3を119球、3安打8奪三振で2失点(自責点0)。キレのある直球を軸にツーシーム、カットボール、フォーク、カーブなどを織り交ぜ、付け入る隙を与えなかった。
爪のアクシデントもあり途中降板となったが、試合後は「全然何もないです」とケロリとしたもの。「天理さんは打線がいいので、ミーティングでは外角中心に低めに集めようとなっていたが、その通りに投げられたと思う」と胸を張った。
沖縄市で生まれ、米国出身の父と日本人の母を持つハーフ。中学時代にはオリックスの宮城も輩出した名門、宜野湾ポニーズに所属し、U―15日本代表にも選出された逸材だ。OBの奥川(ヤクルト)に憧れ、親元を離れて金沢市の星稜高へ進学。持ち前の屈強な体格で将来を嘱望される存在として注目された。
星稜OBの1人は「とにかく牛乳が大好きで、子供の頃から毎日1リットルを習慣として飲み続けているらしい。今も体がどんどん大きくなっている。それがマウンド上から相手に威圧感を与える投球につながっているのだろう。顔も〝強い男〟の有名人たちにそっくり」と打ち明ける。
185センチ、90キロの体格から繰り出す豪快な投球は「圧巻」の一言。かつてロッテや阪神、米大リーグで活躍した伊良部秀輝氏や東京五輪柔道男子100キロ級金メダリストのウルフ・アロン、昭和のプロレスで一世を風びした〝狂犬〟ディック・マードックにも「似ている」との声が周辺から聞こえてくる。
「自分たちは優勝して林先生に恩返ししたいと思っている」と今大会限りで退任する監督に向け、熱い言葉も口にした〝屈強右腕〟。今大会で新たな旋風を巻き起こすかもしれない。












