巨人 松坂を獲らなくて正解だった

2015年03月11日 16時00分

大田(右)にタイムリーを浴びる松坂

 ソフトバンク・松坂大輔投手(34)が10日、2度目の実戦登板となる巨人とのオープン戦(長崎)に先発。3回3安打2失点と精彩を欠いた。フォームも制球もバラバラで、本紙評論家の前田幸長氏も「収穫は何もなかった」と指摘したほどのお寒い内容。巨人サイドからは「獲らなくてよかった」と言わんばかりの声が続出した。

 

 松坂と巨人の注目対決は、季節外れの雪が舞う中で始まった。プレーボール直後、四球で出塁した松本哲が二盗を成功させると、二死後に4番・大田の右前適時打で生還。2回にも足を絡めて2点目を奪った。松坂は3回64球を投げ終えたところで降板した。

 

 試合後の松坂は「ケガをしないようにという意識が強かった。故障を経験していなければ不安なく投げられると思うが、ケガしたことを考えると寒さが気になる」と、寒風吹きすさぶコンディションの悪さを“言い訳”にしたが…。条件は相手も同じだ。

 

 この日の対戦は、ある意味で“因縁の対決”でもあった。日本復帰を決断した松坂は昨秋、代理人を介さずに原監督に電話で直接報告。その際にソフトバンク側が提示した条件をちらつかせたため、巨人サイドの怒りを買い、交渉が破談になったという経緯があった。

 

 宮崎でのキャンプ中はソフトバンクの“松坂フィーバー”に押されっぱなしで、一時は「松坂みたいな大物を獲るべきだったんじゃないか」という声も上がったが、獲得を見送った巨人には意地がある。一連の経緯を知る関係者は「ウチの判断が正しかったことを証明しないとね」と、この日の対戦に燃えていた。

 

 試合後、松坂と同世代の村田は「あんなもんじゃないですか。まだオープン戦なんだし」と印象を語ったが、この日の怪物は制球が荒れ、直球は140キロを超えるのがやっと。西武時代の松坂を知るスタッフは「全盛期を知っているだけに、少し寂しいな」とつぶやくと「悪く言いたくはないけど、何億円も払える投手ではないよね」と思わず本音を漏らした。とはいえ、原監督が「投手は大変だったと思う」と話したように、この日はコンディションが最悪だったのも確か。実力に見切りをつけた巨人に対し、怪物の巻き返しはあるのか。