京都地裁は10日までに、インターネット動画投稿サービス「FC2ライブ」で女性とのセックス動画を配信したとして、公然わいせつなどの罪に問われていた元ライブチャット配信業、松本隆志被告(31)に対して執行猶予付きの有罪判決を下した。業界が注目していた裁判の結果を受けて、配信業者たちもしばらくはおとなしくなると思いきや、なんと「しめしめ。これなら、まだまだ稼げるわい」という声が上がっている。どういうことなのか?

 松本被告には懲役3年執行猶予4年(求刑同3年)の判決が言い渡された。昨夏、女性らに「脱いだほうが稼げるよ」と動画出演を勧誘。自身は「帽子君」の名前で男優まで務め、昨年11月から今年6月に女性10人と絡んでわいせつな映像を生中継して、不特定多数に配信した。

 逮捕されたのは6月。短大生の女(19=当時)を相手に、自宅でエロ動画を配信している真っただ中、警察に踏み込まれた。半年間で稼いだ金は3000万円にも上る。

 市川太志裁判長は「視聴者の要望に応じて性器を撮るなどした。売り上げを得たいという私利私欲のための犯行だ」と指摘。一方で「有料で視聴者が限定されている」と執行猶予を付けた理由を述べた。

 FC2をめぐっては、5府県警の合同捜査本部が9月、実質的な運営母体とされる「ホームページシステム」などを家宅捜索。エロ動画投稿の無法地帯となっていたFC2に警察の手が入ったことで、ライブチャット業界関係者は“FC2離れ”や業界の縮小も念頭に、事の成り行きを案じていた。

 ライブチャット配信事業は、個人が小遣い稼ぎで行うこともあるが、事務所が女性を登録させて運営されることが多い。ある事務所関係者は「判決に『やった! まだ稼げるぜ』と喜んでいる同業者は、たくさんいる」と語る。

 配信は「セックス」と「オナニー」を有料で見せるのが基本だが、無修整でないと客は金を出さない。カメラに映らないよう、うまく物を配置して局部を隠す「修整セックス」「修整オナニー」は需要が低い。

「事件後、うちでは無修整配信を中止した。ろうやには入りたくないもん」(同)。だが、逮捕のリスクを超えるうまみが配信業にはある。

「もちろんカネだよ。女の子を30人抱えているなら、1か月で1500万~2000万円が事務所に入る。AVのように厳しい契約を交わしているわけじゃないから、女の子の出勤は自由。それでも、こんなに売り上げが出る」(同)

 判決で注目されたのは執行猶予の有無だった。

「逮捕イコール実刑が一番怖かったんだけど、初犯ならセーフだと分かった。しかも『有料で視聴者が限定されている』ことが執行猶予のついた理由なんて、笑いが止まらん。『無料よりも有料にして稼げ』と言われているようなもんだ」(同)

 配信で“男優”と“女優”は逮捕された。事務所スタッフも公然わいせつほう助の罪になるだろうが、「懲役刑じゃなければ、事務所を解散し、すぐに名前を変えて再集合。仕事したい女の子はいくらでもいるし、カネに困って逮捕要員をやる責任者候補もいる」(同)という。逮捕を了承済みで割高な金をもらうとは、まさに新宿や池袋の裏DVD屋と同じだ。これを素人がやっているのだから恐れ入る。

 同関係者は「さすがに無修整を毎日のように配信することはないが、今までの6~7割くらいのペースかな」と語る。

 違法業者は、まだまだなくなりそうにない。